R

市子のRのレビュー・感想・評価

市子(2023年製作の映画)
4.5
想像と違ってて困惑した。
可哀想な女の子市子の物語を勝手に想像していて、いや全然違う。
私が想像していた観たい市子の反対側に、怖い市子がいた。
市子はどんな子なのか、誰も本人もわからないかもしれない。
幸せな真人間の市子を観ると、長谷川くんの前から消えなければいけない理由が分からないけど
見えてなかった市子の過去、小学生のシーンからゾッとして私は市子が怖かったし消えなければいけないと思った。
環境が悪い。
そうだけど、越えない一線を越えている。
長谷川君との日々があったからこそ逃げないで欲しかった、幸せそうな長谷川君が不憫で泣いてしまった。
もちろん、3年も市子の事を聞かなかった踏み込まなかった長谷川くんも可哀想だけじゃない。
人間の多面的な部分を喜びと恐怖心も持って刮目させられた気分。
ずっと心に市子がいて、どこかに市子がいそうで出会ってしまいそうで怖い。


覚悟がなくて私は劇場での鑑賞から逃げてしまった。
時間が経つと印象も変わる、
悲しいのか愛おしいのか不誠実なのか無関心なのか…カテゴリに収められないし気持ちの整理もできない、許せないという感覚は強く残ったけど。
でも、それがこの映画なんだと思った。
他の人はどう感じたか、どう受け取ったか
色々な角度から見てみたい。

やっと、市子が自分の中で落ち着いた。
市子を許せない これが一番の感情。
そして、長谷川くんは包容力じゃなくて若葉さんに“臆病”と言って貰えて、そう感じていいって思えてやっと感情の行き場を得て落ち着けた。
1ヶ月もフワフワした、もちろん市子の事は分からない、それでいい。
R

R