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ナポレオンの小皿のレビュー・感想・評価

ナポレオン(2023年製作の映画)
4.1
もともと世界史、特にフランス革命前後の歴史が好きなのだけれど、実際ナポレオンがどういう男であったのかと聞かれれば、知っているようで知らないとしか言えない程度の知識である。
だから映像化されたナポレオンを観てみたいと強く思った。
今作でナポレオンが英語を話していることの違和感を指摘される方もいるし、その思いもわかるけれども、英語もフランス語もできるわけではないので、僕的には大きな違和感とはならなかった。
今回の作品で、ナポレオンの成り上がっていく様子は描かれていたが、彼が如何にフランス人民の人気を得ていったかというところは今ひとつわからなくて、そこは少し残念に思った。
あのドイツのベートーヴェンでさえ、彼の活躍を敬愛して交響曲第3番を彼のために作ったと聞いているから、彼の民衆の支持というのは、熱狂的な大きなうねりとなっていはずだと思うのだ。
いち将校が皇帝に上り詰めるぐらいなのだから。
もっともそのことがベートーヴェンを失望させ、交響曲第3番を彼に捧げることなく、ただ「英雄」と題したとも聞いているけれど。
全編に渡って迫力ある戦闘シーンを映像として見れただけでも、この映画を見る価値は僕には十分にあった。
ワーテルローの戦いを言葉としてを知っていても、こうして実際に映像化されているものを見るだけで、その過酷な当時の現実をイメージすることができました。
それにしてもナポレオンの妻ジョセフィーヌへの愛がこれほどまでに強く、それ故に悲しい結末に終わってしまったことは知らなかった。ジョセフィーヌを演じたヴァネッサ•カービーの自由奔放で、セクシーで、愛と哀しみを湛えた演技がとても印象に残りました。
何処かで見たことがあると思っていたら、ミッション•インポッシブルシリーズにホワイト•ウィドー役をされていた方やったんですね。その時もそのなんとも言えない佇まいにとても惹かれたのを思い出しました。
ナポレオンとジョセフィーヌの関係が、単なる映画的な演出とは思えません。
佐藤賢一のフランス革命シリーズと『ナポレオン』三部作をとても読んでみたくなりました❗
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