私は、
本作の見どころはたった一つ…、
シネに扮した、
女優チョン・ドヨンの神憑りとも
視える演技の巧さにあった。
ストーリー自体は正直なところ、
それ程の魅力は感じなかった。
寧ろ何故、
シネが亡き主人の故郷とは言え、
人生の新天地として、
富裕層として身を置く身を窶す必要があったのか…、
その部分が私には理解らない。
そして、
束の間にピアノ教室の先生としての生業を得たシネはとても奇跡的だしあり得へんほどの恵まれた人生の
再出発だと思った。
私は
シネは、
吾子ジュンへの懺悔と後悔の想いを
生涯懐きつつ生きなければならない
そのように思った。
そして、
若きソン・ガンホの牙を抜かれた
ような穏やかで親しみ深い演技が
少しの物足りなさを感じた。
マタアワセテクダサイ