EmiDebu

ラブ&ポップのEmiDebuのレビュー・感想・評価

ラブ&ポップ(1998年製作の映画)
3.5
良い意味でキモいカメラワークのオンパレードで、女子高生の脆く、逞しく、そして危なっかしい1日を描くこの映画。
エンドロールで知ったが監督は庵野秀明(新人)だった。

面白いんだけどなんというか、もっとスッキリさせればいいのに「映画ってあえてこうやって暗喩を使ってやる感じでしょ?」って言う雑さも同時に感じる。監督自身の描きたいものが散乱としている気がして、カメラワークと同じでゴチャゴチャした映画。

友人と援助交際をして日々を過ごす主人公のヒロミは、ある日トパーズの指輪に心奪われる。12万のトパーズの指輪のために1人での援助交際に踏み出す。

みたいな話なんだけど、描かれているのは変わりたくないと願う少女が、いろんな要因があって変わっていく話。

援助交際をしても、単身で身体を売るようなことはしなかった、そうあり続けたかった女の子はトパーズの指輪のために変化を受け入れる。
劇中にも語られているが世の中には女子高生が噛んだ葡萄を3万で買う男がいたり、危険な男がゴロゴロといる。そんな男と危なっかしい時間を過ごす。トパーズの指輪のために。

思春期の何者でもないという自身への虚無感と、変わっていく友人との間に感じる劣等感。何か(キャラクターや夢)を欲しいと思うことは持っていないという状況を直視することでもある。

それっぽい不思議な登場人物と、意味ありげっぽい演出に誤魔化されている。
言いたいことは分かるけど説明するのがめちゃくちゃ下手な人の話聞いてる感じ。

エンドロールのアレはマジで最高に良かった。
EmiDebu

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