ミヅキ

ブレインウォッシュ セックス-カメラ-パワーのミヅキのレビュー・感想・評価

4.6
おもしろ!!

日本で上映されないとおかしいけど、日本で上映しないという決定がなされる理由も分かる(ジェンダー問題に対する意識の低さと上映するか否かという意思決定をするのが主に男性であるからという理由が貢献してそう)

ローラ・マルヴィの「視覚的快楽と物語映画」が発表されて早くも半世紀経つのに、女性の撮り方という文脈でのシネマトグラフィがほぼ変わっていないことにハッとさせられ、また絶望させられた

最近の映画でよくあるのが「強い女性」として設定されているはずなのにカメラは別のことを語っているということ、、(なめまわすようなカメラワークや相変わらず体の一部だけを映し出すショット)

すごく明快に、映画の中で女性がいかに撮られているのかを説明した上で、それで終わりにするのではなくこの傾向がいかに映画業界の就労プロセスを蝕んでいるかや性的虐待に貢献しているか等を示してます

ロストイントランスレーションのイントロ、半透明の下着をつけたスカーレットヨハンソンのお尻をクロースアップで写し続けている場面に対して「鑑賞者はこれ(お尻)が顔なのかしらかと思うかもしれない」と皮肉なコメントしてたのには声出して5秒くらい笑っちゃった

芸術という名の元に汚らしいものが隠蔽されるのはもう嫌なのです、、

気に入った言葉がいくつかあったので以下引用(一字一句同じじゃないかも)

“If the camera is predatory, the culture is predatory as well”

“This is propaganda for patriarchy”

“The master’s tools will never dismantle the master’s house”

最後彼女の映画たくさん出てきて(そんなつもりはないだろうけど)宣伝っぽくなってた感じがあったのでこの点数
でも全体的にとっても面白かったー
ミヅキ

ミヅキ