ふじよし

哀れなるものたちのふじよしのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
2.7
ほぼネタバレなしレビュー

劇場で見ようと思っていたがディズニー配給と知りスルーしたものの、こんなにサブスク配信が早いとは…。
はじめに、性行為に対してネガティブな感情がある方はこの映画自体見ないことをおすすめします。
男女ともに無垢性への無自覚的信仰と性的嫌悪感の強い人が多い日本には合わない人が多いんじゃないかと…。

フランケンシュタインの怪物ありきではあるものの船編までの前半は面白かった。
倫理観や価値観が普遍であるものと思っている人にとっては、ただただイカれた前衛映画としか捉えられないかもしれない。
ただストーリーの展開を考えると主人公の精神的自立を軸に進んでいるだけではありました。
自由を愛する男の独占欲と、理性的な男の情という矛盾した愛の対比はうまく出来ていたようには思います。
個人的には後半のパリ編は退屈で、最後の章は閉めるためだけの話になっていて雑に感じました。
船内の老婆と黒人との問答は結構好みだったんですが、もう少し尺が欲しかったと思います。
日本で嫌がる人が多いであろう性行為のシーンに関しては、理性と本能の対比としての舞台装置でしかないので特に気になりませんでした。

欧米で評価される理由はわかりましたが、エンタメとして面白いと言い難いので、個人的にあまり好みではありませんでした。
メッセージ性を意図的に抑えた感じも否めないため、もう少し突き抜けても良かったかなーと思いました。
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