ペイジ

哀れなるものたちのペイジのネタバレレビュー・内容・結末

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

まず映像が素晴らしい。それだけで最後まで退屈しない。特に船やロープウェイ見たいな乗り物、街のミニチュアが妙に可愛くてよかった。

話としては失楽園物なのかと思った。お父さんの呼び名ゴッドだし。聖書では女性(イヴ)の罰である「男性への服従」も、間男の束縛という形で主人公に降りかかる。その対抗が男性(アダム)の罰の「労働」(それも娼館!)というのが面白い。

娼館での暮らしも全くネガティブに書いていない。その労働で経済的に自立することが主人公の人格形成を決定的にしてると感じる。むしろ娼館での経歴を根に持つ男たちが醜いものと表現されている。根本にエロティックキャピタルの概念があるんだと思うけど、正直ここら辺は考えが新しすぎて心情的には理解できない。でも主人公視点だとそう思うのは当然だよねとも思う。

映像面でも内容面でも繰り返し見れば面白がれるところは増えていくんだろうと思える作品。良くも悪くも情報量が多すぎて一回じゃ処理できない。自分は多分当面見ない。
ペイジ

ペイジ