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PLASTIC
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目次

PLASTICの作品紹介

PLASTICのあらすじ

幻のミュージシャン、エクスネ・ケディが消息を絶った1974年から半世紀経った2018年にこの物語は始まる。エクスネの熱烈なファンである⼥⼦⾼⽣イブキと少年ジュンは、その⾳楽に導かれるように運命的な恋に落ちる。やがてそれぞれが別の道を歩み始めたふたりであったが、4年後の2022年、エクスネ・ケディ再結成ライブが⾏われる。いまだ鳴り響くその⾳楽に引き寄せられるように会場にやって来たふたりは……。

PLASTICの監督

PLASTICの出演者

原題
製作年
2023年
製作国
日本
上映時間
105分
配給会社
boid、コピアポア・フィルム

『PLASTIC』に投稿された感想・評価

netfilms

netfilmsの感想・評価

3.5
 宮崎大祐監督が無意識でやっているのか、それとも確信犯的にやっているのかはわからないが、ほとんど松居大吾の『ちょっと思い出しただけ』と同じ構造だった。『ちょっと思い出しただけ』は確か主人公の誕生日の7月何日かをを1年ずつ退行し、最後は出会った頃を思い返す切なさがあったが、こちらは出会ってから1年ごとに同じ8月を繰り返す。それを書いているうちに『花束みたいな恋をした』も同じ構造だなと思い出した。そもそも『ちょっと思い出しただけ』そのものが『花束みたいな恋をした』を前提とした物語であったことは明白で、それで行くと今作も宮崎大祐監督の無意識というよりも、ある種確信犯的にやっているのだろう。然しながら『ちょっと思い出しただけ』や『花束みたいな恋をした』よりも主人公たちの年齢を下げたことが成功しているとは言い難い。井手健介と母船のセカンド『Contact From Exne Kedy And The Poltergeists』の殆ど全てをサウンドトラックとしているのだけど、流石にこの74年を意識したとされるアルバムの音が74年の幻のバンドの音とは私には俄かに信じられない。冒頭のボーイ・ミーツ・ガールな瞬間は極めてP.V.的な名場面で宮崎大祐の上質なフレームと音楽の関係性がぐっと見えるのだが、その後物語が進むにつれて、主人公と仲間たちの青春群像劇を取り巻く大人たちの描写がやや蛇足的に思えて来る。

 そこには今作が名古屋学芸大学の実習として学生スタッフを育てる名目で撮られていることも大きい。その意味では石井岳龍の『自分革命映画闘争』同様に、本来なら商業ベースに乗せるべき作品ではないのだ。キャスティングに関しては高校生を支えるベテラン俳優陣の名前があまりにも豪華で恐れ多い。これは映画の裏方で参加した学生にとってはあまりにも嬉しい瞬間だったのではないか?けれど小泉今日子やとよた真帆が出演する物語的な必然性はほとんどない。一応キョンキョンに関しては数シーン関与しているが、とよた真帆や尾野真千子の出演は1シーンだけ。宮崎大祐はそんな場面にばかり注力するよりも、この天文部の微妙な人間関係にこそ注力すべきではなかろうか?女子高生イブキ(小川あん)と少年ジュン(藤江琢磨)を中心とした極端にプラスチックで無重力の世界。そこでは様々な人々の思春期特有の葛藤やもがきが描写されて然るべきなのだが、何か突然ぼんやりとくっついて、コロナ禍にぼんやりと離れて行った印象しかない。『花束みたいな恋をした』も同じようにサブカルに恋をした男女の青春恋愛劇だったが、坂元裕二の脚本は仕事のストレスで徐々に好きだったはずの映画や文学から剥がされ、専らソシャゲに課金するしか出来なくなる主人公の焦燥を巧みに描写していた。今作にはその辺りの心の襞が消化不良で、青春映画の肝が欠落してしまった。最初と最後の描写であれば井手健介と母船のP.V.で良いはずで、中盤もっと宮崎大祐監督には大暴れして欲しかった。ただこれが学生映画の卒制として出て来れば大したものだと思うが、宮崎大祐監督の実力を知る者からすればこんなもんじゃないだろう。
これはちょっと擁護し難い。素人がプロから学ぶ機会を果たして興行化すべきなのか。

カットで時間はズバズバ飛ぶしこれ見よがしにフォローショットも多用されてるのだが、本質的な事を言うとこの主題で突き抜けた傑作は生まれないし、そもそも運命論的な男女を面白く撮れる人が現代にはいない。
唯一世界観を更に飛躍させることで新海誠だけは興味を示しそうな感じで、非現実的キャラクターが過剰なリアリズムを抱える展開は多分見るに堪えなくなる。

とはいえアニメーションで表現した方が音楽含め映えそうなのだけど、致命的なのが土地勘の鈍さです。愛知と東京という二つの地を決定的に隔てる感覚が交差点や地名入りの映画館(これらは一番安直な逃げでしかない)に頼りきって欠落しているうえ、台詞で全てを説明させてる。

伏見ミリオン座で観ててそのミリオン座が出てきた意図せぬメタと、恐らく自分が毎日利用している駅まで出てきた時は流石にオッと思ったが、制作が名古屋学芸だから多分内輪受けなので、こうした作り手側の快楽を消費者へ無造作に押し付けるような姿勢も居心地悪い。

それはムルナウや青山真治然り、尊敬ではなく自己誇示の道具として過去の映画作品を取り上げてしまう怠慢が侮辱ですらあって、とにかく宮崎大祐は何らかの形で青山真治に詫びなければならない。

あとはもう特に言うこともないのだけど、大前提として宇宙学的な確率で巡り会う云々以前に、そもそも音楽への核心に切り込んだ知性もなければ、逆に雑音になることの方が多かった気がする。ギターがエモーションの道具になってさえいれば…

スピードワゴンの小沢さんみたいな顔つきの彼には感情がない、唯一共感できるのは趣味が学友と語り合えないことくらい。まあ学生との共同制作、というより学生絡みの映画がここまで枯渇している実情を知れただけでも収穫だったと捉えるべきなのか。
菩薩

菩薩の感想・評価

1.0
物凄く純粋につまらない映画を観てしまった。学生参加型にしてはよく出来ているのかもしれないが何一つ広がりが無い。74年のバンドの音があまりにも74年のバンドの音じゃのはこの際どうでもいいとしても、ただそこに置かれているだけでなんのフックにもなって来ない。なんのコネか知らんけどキョンキョンをはじめ有名どころが序盤に出てくるが後半は一切存在自体が消される。井出健介の音楽はいい、ただそれだけで。『サッド ヴァケイション』観ながらイチャコラする様なやつは一生映画館に行くな。なんだこの誰も幸せになれない様な企画は…。

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