このレビューはネタバレを含みます
ラブストーリーだと思っていたけれど、Ann王女の成長物語だった。しかも、何か明確なきっかけのある訳ではなく最後に自分の意志で宮殿に帰っていく。帰ったときにはもう少女じゃない。Joeとも大人として対等に向き合う、この恰好良さありき、ただのメロドラマに終わらない名作だった。
最初のヒールが痛くて脱いじゃうシーン、コメディタッチで初めて見た時も好きだったけど、その後に足の見えるドレスで自ら立ち、壇下に歩いていくラストを考えると象徴的な演出。
とにかくローマの日差しは暖かい!私もカフェに行きたい!ベランダで朝を迎えたい!ジェラートを食べたい!
Joe、いけすかないやつ!でも真実の口のシーンはアドリブらしく、優しさが垣間見える。案外映画後半ぎりぎりまで2人とも思いを露にしない。
Audreyはもちろんショートも可愛いけどロングの時からどの瞬間も美しい。特にラストは完ぺきなフォルムのドレス、ヘッドドレス、白黒でも輝くような純白だろうと思わされる。
思い返しても白黒だったことに気づかないくらい、鮮やかな記憶として残る映画。白黒だからこそいろんな色で妄想できて楽しいし、白黒時代の美人は絶品すぎる。