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瞳をとじてのragaのレビュー・感想・評価

瞳をとじて(2023年製作の映画)
3.0
時間と記憶は真相へたどり着けるのか。事実は時に変容する。(歴史修正ではない)それは受け手側の感情が移ろい、過ちを許し禍根は薄らいでいく。人やモノの見方は価値観同様変わる。それは無節操という安易なスタンスではなく、思考の積み重ねが成長と密接につながっている故に変わる。行方不明になった俳優フリオを探す映画監督ミゲルは、フリオの失った過去の記憶と自身の見えなかった事実を在りし日の映像を通して模索する。真相には程遠いかもしれない。だが現実に人は存在し、交わされる言葉は虚実に惑わされても記憶に残る。そこに各人の感情が揺れ動き、真相へと絶えず向かう。その過程こそが大切なのではなかろうか。この作品は最終の答えは提示しない、それは観客に委ねる。なぜなら真相とは目的地ではなく経過そのものなのだ。
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