しろみさかな

タイタニックのしろみさかなのネタバレレビュー・内容・結末

タイタニック(1997年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

何回見たことか…。小さい頃BSかなんかで母親が見ていたのを一緒に見たのが最初だったと思います。昔は長尺の映画だったので、途中で10分くらい休憩があったはずです。その印象が強かったです。とにかく3時間は長いのだけれど、正直あっという間に見てしまいます。が、ラスト1時間はとにかく苦しい1時間になります。わたしはもうラスト30分くらいから号泣しまくりでしんどかったです。何歳になっても、何回見ても泣いてしまう。
何故泣けるのか。理由を考えてみました。まず純粋に恋愛模様として悲しい。短い期間ではあったけれど、心が通って愛している相手と結ばれない、一緒に歳を取ることができないのはとても悲しいです。恋愛というよりもはや愛でした。ジャックがひたすらローズを優先して助けようとするのは、愛でした。
2つ目は、揺るぎないモノが壊れる悲しみ。揺るぎない日常が崩れてしまう悲しみ、壊れるはずがない大きな船が浸水して壊れてしまう悲しみ、家族が引き裂かれる悲しみ…等々。破壊。これはとても悲しいし苦しい。あんなに立派な船がボキボキに折れて壊れるシーンは本当にすごいです。たくさんのお皿が割れるシーンもずっと小さい頃から覚えていました。
3つ目は、乗客の人々を思って悲しくなりました。憎たらしいフィアンセ。演奏を続ける音楽家たち。諦めてベットの上で死んでしまう老夫婦。子供を助けられなかった親。船長。外国人。人間観察がとにかく面白いです。パニックムービーって本当色んな人の心理描写が面白いです。でもとにかく悲しい気持ちになりました。わたしが乗客だったら、どうなっていたかなぁと想像しながら…。
子供の頃は悲しさが強く残ったのですが、アラサーになって見てみたら、恋愛についてはかなり思うことがありました。20代に見た時には、こんな短期間で恋に落ちるかね…と思っていたのですが。30代になって見たら、そりゃ恋に落ちるわと納得しました。濃いめの顔のフィアンセは暴力と金で支配しようとしてくるクソでした(笑)母親もお金のある生活を捨てられないモラルも無いクソ。しかもローズは17才。そりゃあ自分の持ってないモノを沢山持っていて、楽しませてくれて、ものすごく大切にしてくれるジャックに惹かれるわなと。ものすごく納得しました。
それから20代の頃は、ラストシーンでなんで体を寄せ合って板に乗らなかったんだろう。と疑問に思っておりましたが、やっとわかりました(笑)2人乗ったらあの板は浮かずに静むんですよね…。悲しい。ジャックが冒頭で水の冷たさについて話していましたが、そんな冷たい水にやっぱりずっと浸かっていられない訳で。そうなるとやっぱりローズを優先して板に乗せてあげたジャックは、愛だったなぁ…と思いました。苦しい。
何故か何回も見てしまう作品ですね。恋愛模様ばかり有名ですが、普通に映像もすごいです。どうやって撮ってるんだと思います。とにかくあんまり見たこと無い人は居ないと思いますけど、是非人生で一度は見ていただきたい作品です。どうぞ。
余談、今回も馬鹿泣きました。また次見たら新しい発見があるんだろうなぁ…。
しろみさかな

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