いずみや

落下の解剖学のいずみやのネタバレレビュー・内容・結末

落下の解剖学(2023年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

予告編だとミステリーっぽい印象を受けたけど必ずしもそうでなく、裁判で判決が出ても人生には結論がない、でも人生は続いていくから何かを選択して決断してやっていかないといけない、という話ですごく沁みた。
でも、たとえば家族間に解決できないこと(何故こうなってしまったのかわからないこととか)を抱えている人が見たら共感しすぎてつらいかもとは思った。いやわからん、むしろ救われることもあるのかもしれないが…

あとTLで話題のhot lawyerがどれだけホットなのかと思ってたら、主人公に“ちゃんと”対応してくれるから良かった。疑心暗鬼になった主人公に何を考えているのか問い質されて「君に言っていないことをたくさん考えている」って返すところ、すごく好きだ。この台詞だけでも、言えないことがあっても嘘はつかないし誠実であろうとしてくれているとわかる。旧友としても弁護士としてもきちんと対応してくれている。

主人公の「地下鉄で泣くより車で泣く方がずっといい」という台詞も良かった。彼女はきっとあの山道を運転しながらひとりで泣いたこともあったんだろうけど、でもあのとき彼女があんなふうに思い切り泣けたのは、隣で運転してくれる人がいるからだよね…と思って。そういう印象的な台詞が多かったな。
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