しちれゆ

エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命のしちれゆのレビュー・感想・評価

3.8
久しぶりに映画館でイタリア語の映画を見た。
観客10名ほど。これは残念だけど【唯一神】を持たない日本人が見てもピンとこないかも。
ローマ・カトリック教会のユダヤ教(徒)への迫害の話。ユダヤ教の洗礼を受けた廉(かど)でカトリック教会によって連れ去られる7歳のエドガルド。カトリック側がやっていることはもちろん言語道断であるが教皇はじめ聖職者たちの揺るぎない信仰心もすごい。この教皇は尊大で傲慢なのだが神の下僕でもあり、この人が次第に老いていくさまには人間の悲しさがある。
カトリック教会のユダヤ教徒の少年のための矯正施設の異様さとそこで生きていくために上手く立ち回る子供や洗脳されていく子供。母の危篤の知らせを受けて実家に帰ったエドガルドの様子には胸が詰まる。
そして連れ去りの原因になったエドガルドの受洗。洗礼を授けたのがエドガルドの家で家政婦をしていた普通(以下)の女性。聖職者でもないただの女による洗礼の真似事-聖水を使ったわけでもなく-がそこまで問題視されるのが解せなかった。
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