平山さんの丁寧で秩序だったささなやかな日常の営みと、時々人との関わりの中で生まれる心のゆらぎを、ただひたすらずっと観ていたくなる。平山さんのようになりたいと憧憬すら覚える。
ただ、平山さんがこの生活を選択した背景には何があったのだろうとずっと心に引っかかっていたが、先日観た別の映画をきっかけに感じたのは、平山さんはアダルトチルドレンだったのかなということ。
トイレの清掃員の映画なのに美しい部分しか描かれていないことに、綺麗事のように感じる人もいるかもしれないが、川上未映子さんがこの演出について「見たくないものを見ないまま自分のルーティンの中で生きている、まるで少年のような在り方を示している」のではというような解釈を話されていて、私はとても腑に落ちた。