あかめ

PERFECT DAYSのあかめのレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
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観ていて胸のすくような気持ちでいっぱいになる作品でした。
トイレ掃除業界のおじさんの日常を淡々と描く作品です。朝起きがけに植栽に水をやったり、仕事前に缶コーヒー飲んだり、移動の車の中で好きな古い音楽をカセットテープで聴いたり、お昼にはサンドイッチを食べながら、木漏れ日の写真を撮ったり、銭湯で一番風呂に入ったり、千ベロの店でレモンサワー飲んだり、夜に寝転がって文庫を読んだりして、週末にはコインランドリーでまとめて洗濯し、待っている間に木漏れ日写真を現像に出したり、仕上がりを受け取り良かったのと悪かったのを選別したり、赤ちょうちんでママの歌声に聴き惚れたりするそんな主人公の姿をほとんどしゃべらずに役所広司さんが演じています。この作品の役所さんは本当に気持ちいい存在感で、これがドイツ人のヴィム・ヴェンダース監督が引き出したことに感心します。日本語がわからない監督だからこそ、この台詞に頼らない名演技を演出出来たような気がしました。
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