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私がやりましたの440のレビュー・感想・評価

私がやりました(2023年製作の映画)
3.8
作風の振り幅がデカすぎて毎回驚かされるフランソワ・オゾン監督作品。

ここ最近だと「苦い涙」「危険なプロット」の2本を鑑賞しましたが、映画世界への引き込み方とか描写のこだわりとかほんとセンスが良すぎて惚れてまうわ。

今作はミステリー風味を少しブレンドしたコメディ。
終始シャレオツムードが画面から溢れ出ちゃってて眼福とはこういう事なんだなと思いました。

有名映画プロデューサーからセクハラを受けた若手俳優マドレーヌ。
逃げ帰った直後、プロデューサーが殺された事で警察に疑いをかけられたマドレーヌは、同居する弁護士の卵ポーリーヌに相談。
彼女たちはあらぬ作戦に出る。

マドレーヌもポーリーヌもちょっとクセありな感じであんまし好きになれそうにないキャラ。
しかもマドレーヌの彼氏はお金持ちボンボンのポンコツ男で登場人物に魅力を感じない序盤。
なのでとんでもなく痛い目に遭う話なのかと思ったら、ポーリーヌがなかなかの策士で2人の能力を生かしたその後の展開にすっかり心を奪われてしまった。

中盤から登場するイザベル・ユペール扮するショーメットがまた面白キャラで、難癖の付け方がアホ過ぎて爆笑。
ここからようやくマドレーヌ&ポーリーヌコンビが巻き込まれ痛い目に遭うのかと思いきや、またしてもポーリーヌが諸葛亮孔明ばりの奇襲に出るという何とも巧妙なストーリー展開にビックリ。
この回避の仕方が上手すぎて感動しちゃったなぁ。
脱ぎっぷりにも驚いたねぇ。

コメディらしく気軽に楽しく鑑賞できました。
これと言って心に残るようなものは無いんだけど観終わった後の満足度は高く、良いものを観させてもらったなぁという心地良さはクセになる。
オゾン作品あまり観た事無いんですが、他の作品にも手を出そうと思います。
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