『悪なき殺人』のドミニク・モル監督作品。第48回セザール賞で作品賞・監督賞・助演男優賞・有望若手男優賞・脚色賞・音響賞の6冠。
さすがに、傑作でした。サスペンス・スリラーという宣伝があり、女子大学生クララが、焼死体となって発見された事件を捜査する刑事ヨアンの物語なのだが、実は作品の描こうとする本質は、そこだけではない。編集部は、このミスリードを序盤に気づくことができず、終盤に、あぁぁ、そういう作品だったのか、最初から見直さないと、となっています。殺人事件の捜査で、主人公が刑事、サスペンスだという「先入観」で観ると、この作品の一層目にしか、たどり着けない。その先は、ぜひ皆さんで観て、考えていただきたい。
2024年3月15日＠アップリンク京都
