氷雨水葵

TALK TO ME/トーク・トゥ・ミーの氷雨水葵のレビュー・感想・評価

4.0
2023年117本目

その手、少し握ってみたい気はするが…

◆あらすじ
母を亡くし悲嘆に暮れる高校生のミアは気晴らしに、友人ジェイドと彼女の弟ライリーとともに、SNSで話題の’’90秒憑依チャレンジ’’に参加する。

’’手’’を握り「Talk To Me.」と唱えるだけで霊が憑き、最高のスリルと快感を味わうことができるのだ。

しかし、ライリーにミアの母の霊が憑依し―――。

◆感想
こちらも初日鑑賞!2023年下半期(個人的に)期待の作品がやっと公開されました~。

感想を言ってしまうと、A24っぽくない世界観というか脚本でしたね。まぁ普通だったってことです…。もっと『ヘレディタリー/継承』や『セイント・モード/狂信』くらいヤバいかと思ってましたが、案外シンプルな降霊術もので少し拍子抜け。ただ、手を握って霊が憑依するという設定は面白く、適度に恐怖感もあってめちゃくちゃ楽しめました!痛々しいシーンはいくつかあるものの、恐怖演出自体はあっさりしているので、シンプルホラー(でないが)を求めている人におすすめ。これをシンプルホラーと言っていいかはわからん。他作品がクセ強なだけに、やっぱりどう考えても本作が普通に思えてしまう。でも、A24めちゃくちゃ良い仕事するし、こういうのをもっと観たい!!

本作の見どころはやっぱり、手を握って「Talk To Me.」「Let you in.」と唱え、何が憑くかお楽しみ♡なところ。しかも、90秒憑依チャレンジと銘打ち、一種の麻薬のような中毒性があるリスキーゲームな設定が良い。さすがに霊が憑依するのはイヤだけど、どこか高揚感のある握手チャレンジはすごく興味深いですね(笑)今までのA24作品にはなかったキャッチーさが見どころかな。あと、SNS世代のメンタルケア部分を軸にしているのもよくて、当たり前のように’’死’’に惹きつけられる脚本が素晴らしかったです。
ただ、主人公ミアが『ミッドサマー』の主人公ダニーを彷彿とさせるメンヘラっぽい感じだったのがマイナス評価でした。こういう作品でありがちな「誰かが亡くなった」設定だったから仕方ないんだけど、いかんせん友人家族に依存・・・というか執着してる感じがして無理でした。家族への嫌悪みたいなところにアリ・アスター監督は惹きつけられたんだろうな。しかも、救いもなければ報われもしなくて、ある意味残酷描写だったかも。あと、友人の弟の所業がとにかく痛々しかったです…。てか、音がでかいから余計にひええぇぇってなったわ(笑)

とはいえ、まとめ方はよかったと思います!意味ありげな感じで終わるかなと思ったのですが、近年稀に見る素晴らしいオチだった👍正直、予告編を見たときは「うーん」と思っていたけど、まさかの期待値越え。下半期のホラー作品は『死霊館のシスター 呪いの秘密』や『エクソシスト 信じる者』があり、どちらもイマイチだったけど本作はマジでよかった!(普通とか言ってごめんなさい)双子YouTuberが監督で、オーストラリア産というのも新鮮だったから余計に見入っちゃいました。カンガルーのシーンは完全にふくsn…。降霊会うんぬんより、ああいうシーンがいきなりカットインするとドキッとしますね💦

期待以上の面白さだったので内心ウッキウキ💛
氷雨水葵

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