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Pamfir(原題)
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『Pamfir(原題)』に投稿された感想・評価

ヨーテボリ映画祭にて。

まるで「プッシャー」のようなギャングのドラッグ密輸密売&転落物語をウクライナの田舎町での禁輸品の密輸に手を出すお父さんの話に置き換えたような感じ。
出稼ぎから戻った父パムフィールは家族と再会しささやかな幸せとともに生活をするはずだったが、息子が誤って教会を燃やしてしまったため事態は一変、コミュニティに緊張が走り父は弁済金工面に追われる…という。

お父さんは息子には将来学をつけ賢く生きてほしいと願い家族のために働いてきたが、さらなる試練犯罪に手を染めざるを得ないのか。
そもそもまともに職につけない状況が根本的要因かもしれない。

弁済金を支払わなければならないと決まった時点で一度冷静になって村とじっくり話つければよかったのにと思うが、父はそこまで頭が働かなかったか、息子を思うゆえにすぐになんとかしたかったのか、事態はどんどん悪化してく。これはヤバいことになる臭いしかしない。

そういう現実的な部分と伝統的なカーニバル(村祭り)の描写とサウンド、自然豊かな山あいの田舎の昔話に出てくるような姿と、カラフルで幻想的でスタイリッシュな映像がミックスされ不思議な印象を残す。
民族の伝統的カーニバルのビジュアルは目に焼き付くしリズムが耳に残る。

コメント欄にメモあり👇
自分に学も知恵もないと力仕事で一家を支えてきた父親は
「俺のようになってほしくはない」と愚息の尻拭いのために奔走するが
ここで示唆されるは「主人公の思惑通りにならない」不条理劇というよりは、
「己から己以上の代物は産まれることはない」という無慈悲な事実である。
期待も「運命からの脱出の試み」も、全ては無駄である。
主人公が出来た決断は、愚息に罪を認めさせ、自分で償わせ、それを支えることだけであった。
主人公が愚かであったとは言わないが、その決断をできないのが、人間なのであろう。

狂乱の最中に起きる悲劇も個人的には好き。オープニングショットもかっこいいし、カメラワークもぐるぐる回って面白い。