このレビューはネタバレを含みます
生きづらさ、という言葉を体現するような藤沢さんと山添くんが静かに立ち直っていく姿が愛おしかった。
特に、自分の勤め先を馬鹿にしていた山添くんが栗田科学のジャケットを羽織った時、その後自分「たち」の仕事を誇らしく語る姿にかつての上司が涙するシーンはグッときた。
無理やり主人公二人を恋愛対象としてくっつけないところ、二人の進路や病気が全て解決しないけれど希望の光が差し込むところが良かった。
プラネタリウムのスピーチの言葉が頭を離れない。最後の方で、山添くんを照らすぼやけた光がこの作品の希望そのものだった。
ここに出てくる人たちはこの後どんなふうに生きるんだろうとこんなに気になった映画はなかなか無い。原作も読みたい。とても良かったです。