のほほんほん

東京物語ののほほんほんのレビュー・感想・評価

東京物語(1953年製作の映画)
4.6
家族の形が変わっていく様を静かに奥ゆかしく描いていた。冷たい子供たちが決してただの嫌な人では無くて、親を思う気持ちと自分のことで一杯一杯なのが交互に出てきてリアルだった。

あれだけのことがあって「今日も暑うなるぞ」と呟くお父さんに泣けた。悲しみに包まれても今日は始まる。本当に強い人ってこうなんじゃないかと思った。

引きの画中心に固定で映すから、スライドショーみたいだ。でもそのワンカットワンカットが絵画のように美しい!広島の海も家族が並ぶ食卓も、電灯に蛾が舞う場面さえ。

この季節に夏が舞台の映画を観られて良かった。奇跡のような一本だと思う。
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