YURINA

夜明けのすべてのYURINAのレビュー・感想・評価

夜明けのすべて(2024年製作の映画)
5.0
描写がリアルで、特にPMSのイライラが止まらない感じに心がざわつき、質が良ければ良いほど見ていて疲れる作品かもしれない、と思ったけれど、終盤は柔らかな光に包まれた優しいお話で素敵な気持ちで映画館を出た。

描かないもの、言葉・文章以外で表現するものが豊かでよかった。特に山添くんの変化について、本人が口で語るより行動で読み取れる描写がよかった。お茶のおかわりを聞いたり、職場のお揃いのジャンパーを気がついたら着ていたり、たい焼きを買ってきたり。そういう山添くんの変化を周りが一切茶化さなくて、茶化さない優しさってあるよな、と気がつき、誰も泣いていない場面で1人でぐずぐず泣いた。

車の中からや職場の部屋の奥からの撮影など画面の構図も面白かった。画質が荒く感じて映画館向きでないかなと思ったけれど、観ているうちにそれが心地良くなったし、後半は淡くて柔らかい画質が作品とマッチしていて素敵だなと思う場面が多かった。

主演おふたりの演技が素晴らしくて言葉の限り絶賛できればいいのだけれど、演技がうますぎる、以上の言葉が出てこない。
YURINA

YURINA