Hara

コヴェナント/約束の救出のHaraのレビュー・感想・評価

コヴェナント/約束の救出(2023年製作の映画)
4.2
アメリカ同時多発テロの報復として始まり2021年まで続いたアフガン紛争。
そのタリバンとの戦いを取り上げた映画で最も好きなのは「ローンサバイバー」。
だけど今作はそれを上回ったかも。

仲間が全滅し崖を転げ落ちながら逃げる。
アフガニスタン人に助けられる。
そしてラストの救出場面のカタルシス感。
共通点も色々。
迫力ある、臨場感ある戦闘シーンも。

それでも上回ったかもと思うのはアフガニスタン人の通訳であるアーメッドの存在感。
かなりの癖もの。
銃やナイフの取り扱いもお手のもの。
だけど何よりも家族思い。
家族とともにアメリカに行く為に危険な仕事に就き、100キロの道のりを手押し車でジョンを運ぶ。
途中あまりに辛くて涙を流す場面にはこちらも胸が熱くなった。
だけど夕陽を見ながら家族の事を思い出しもう一度歩き出す。

後半はそんなアーメッドに助けられたジョンによる救出劇。
ビザを発給すると言う約束を反故にするアメリカ。
大国の傲慢さ。
埒が開かない行政との交渉。
苛立つジョン。
そして私財を投げ打ってでも自らの力で約束を守ろうとする。

そんなジョンも主人公として当然よかったが、民間軍事会社のリーダーが何とも頼もしくカッコ良かった。
「ジョン・キンリーだと分かっていたら損得なしに最優先した」
そりゃ偽名を使っての契約だったから緊急度の理解不足も仕方ない。
約束を守る為に、恩に報いる為に単身アフガンに戻って来たジョンと同様熱いやつ。

ラストのテロップで現地通訳のその後を伝える事によりガイ・リッチーからのメッセージも明白に。

ガイ・リッチーと言えば「アラジン」しか出て来ないのがちょっと恥ずいが。
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