わきうし

ソウルメイトのわきうしのネタバレレビュー・内容・結末

ソウルメイト(2023年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

素晴らしい女二人の青春映画だ!!!と思いながら観ていたら、途中で男が出てきて「終わった…カスです……」となった。
が、しかし!!!そのまま思っていたゴミクソ男取り合いキショキショトライアングルは生まれず(生まれてはいるがそこに収束せず)、2人の友情を超えたソウルメイトとしか言いようのない関係をしっかりと描いて終わる。

出会い、愛し合い、すれ違い、憎しみあった先だからこそ「本当にあなたを愛しているのは私だけ」なんていう言葉が言えるんだろうな。遠く離れて連絡を取っていなくても、お互いの核となる部分をしっかり捉えていればそれだけでいいのかもしれない。突然再会したとしても、前にあった時と変わらない温度感で接することが出来るソウルメイトがいるのは素晴らしいことだ。
「心も描けるんだと知った」「描いてみると相手をどう思っているかわかる」「愛に溢れていないとかけない絵が描きたい」という前置きがあった上で、ずっと抽象的な絵(心?)をそのまま描いてきたミソがハウンの遺作を引き継いだところはグッときた。最終的に言葉ではなく絵が二人の思いを繋ぐ構成…。
私にはずば抜けて仲のいい友人がいたことがないので、ただただ羨ましかった。映像もずっと綺麗で、間のとり方なんかも完璧だったと思う。まさにジヌと出会うまでは青春を詰め込んだとしか言いようがない映像だった。

細かく気になるところはあったし、「ベタだろ」とか「やりすぎだろ」と思うところも多かった。もう少し狙いすぎず、ドラマチックすぎずでこの友情を描いて欲しくはある。
ただ撮りたいものが今ひとつ伝わってこない映画も多い中で、撮りたいものをきちんと撮れているところはすごく評価できると思う。

しっかし今度は男が主軸に関係しないガールズ映画が観たいなあ。