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パスト ライブス/再会のTAICHIのレビュー・感想・評価

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)
4.8
至って普通の恋愛映画なのだが、メロドラマではなく、愛がより一層深まる映画でした。
シーンの切り取り方や時間の使い方が繊細で細かな表情やセリフがとても心地良い感情にさせてくれた。

実際監督自身の体験談がベースとなっているオリジナルの脚本で"縁"が一つのテーマになっている。

作中に出てくるこの"縁"は摂理や運命という言葉にもつながっており、12歳の少年少女だった2人が12年毎に重ねていく中であの時あの決断をしていればだとか、会いにいけばだったりとかで後悔する悲しい映画ではなく、これも前世で何かあった縁だからまた次の人生で会いましょうという前に進ませてくれる映画でした。

誰にもあることであるし、すごく共感しやすいテーマであるので描き方が難しいと思ったが、主人公のナヨンは独立していて、自分持っている人という感じでとてもアメリカ的なのに対し、ヘソンの保守的な感じが韓国的な男という対比がニューヨークで再度再開する2人の深みがより一層増していて良かった。

最後の2分間はとても長く印象に残るシーンでした。生きていく中で気づけばもうこの年だと時の速さを感じたり、ほんの数分間がとても永遠のように感じたりと時の進み方は人それぞれであり、出来事によっても違う。ですが時は有限なので一つひとつの出来事を大切に前に進んでいこうと思いました。
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