Ayax

マエストロ:その音楽と愛とのAyaxのレビュー・感想・評価

3.3
正直、面白くはなくて、何回も寝てしまって観るのが大変だった。言い訳すると、家で観る場合は、寝ながら観てるのでちょっと仕方ないというか、映画館より格段に寝てしまう確率が上がる。ちなみにそれでも全然眠くならない映画ってあって「マリッジ・ストーリー」とか素晴らしくて前のめりになったよ。おすすめ。
良かったところを挙げると、まず一番びっくりは特殊メイク。冒頭、老いた主人公のシーンから始まるのだけど、ブラッドリー・クーパーだと思わなくてご本人が出てるのかと思っちゃった(後で調べたらご本人は既に亡くなられている)。メイクアップアーティストのカズ・ヒロさん、しっかりノミネートされてる。
主演の二人も良かった。特にブラッドリー・クーパーは主人公がヘビースモーカーだからかしゃがれた声で、老いてからの声も爺さんっぽい声で、もともとどんな声か忘れたけど、すごいなと思った。指揮が上手いかどうかも私はわからないけど、すごい上手い人にも見えたし。
キャリー・マリガンも良かったんだけど、季節柄、賞レースでエマ・ストーンとこの役でやり合うということを考えてしまって、そうするとちょっと地味なのは否めない。キャリー・マリガンにそろそろ主演女優賞をって思うけど、「プロミシング・ヤング・ウーマン」の時が一番近かったのかな。その年は「ノマドランド」のフランシス・マクドーマンドで、むううそうかーという感じ。主演はどっちもノミネート止まりだと思う。
撮影は、モノクロシーンがあったり、ミュージカルっぽいシーンがあったり、長回し風のカットがあったり、面白い角度から撮ってるなと思うところも多々ありで、工夫の気持ちはとても感じた。そして、撮影賞ノミネートされてる。でもここは普通に考えて「オッペンハイマー」なのかな?
主人公は奥さんを心から愛してるけど、バイセクシャルで、結婚していながら自分に支持する若い男性と関係を持ってた(多分結構たくさん)。これで思い出すのが「Tar」。映画の中では無理やりという感じはなく、相手もうれしそうな感じだけど、実際はどうなのかなーって思うよね。何か良い話っぽくまとめてるけど、これで受け入れた人をフックアップして、拒否した人を無視するとかだったら「Tar」じゃん。そのへんが映画を観ただけだとわからなくて、ただ、レナード・バインスタインさんという人が、男女問わずとにかく人間にモテる人として描かれていたと思う。
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