悪魔の毒々クチビル

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search/#サーチ2(2023年製作の映画)
4.0
魔法の言葉"Hey,Siri."

突如行方不明になった母親をネットの力を駆使して捜索する娘のお話。

全編PC画面なのが話題になったサスペンス映画「サーチ」の2作目ながら、原題は前作が"Searching"で今作が"Missing"なので邦題だけ勝手に続編にしちゃうパターンなのかと一瞬疑うヤツです。
因みにその1はまだ観ていないですが、物語に繋がりが無いのは知っていたのできっと無問題なのである。

そして思いの外引き込まれる内容で、良く出来ていました。
基本的にこの手の作品はネタバレも考慮すると触れる部分が限定されますが、取り敢えず謎が段々明かされていく展開にこちらも釘付けになる圧倒的フックがお見事。
点と点が繋がり一つの線になる、と言うのを上手く体現している作品でした。
巻き起こっている事態も一見複雑ではありますが、納得の行く終着点で成る程な~。と。
徐々に明かされていく登場人物の素性が良い具合に物語を掻き乱して行き、ミスリードな演出やちょっとした伏線もしっかり機能していました。

あと俺は滅茶苦茶テクノロジーに疎いしTwitter(今はXか)とかFacebookとかInstagramもやっていないので、今時はネットでこんなに事細かな情報が得られるのかとびっくりしちゃいました。パスワードの意味とは。
流石に他国のハウスクリーニングを遠隔雇用する場面は一瞬訳が分からなかったんだけど、俺が疎すぎるからなのか。
便利且つ危険な時代になったもんだ。
唯一認証画面に行くときによくある9マスの中からバスが映っているマスを全て選びなさい、なアレで「これは微妙にバス含まれている…よね?」と一瞬迷うくだりは理解出来るあるあるでちょっと笑えました。
従来のサスペンスとは一味違って、基本ネットで得られる情報のみで解決していく流れが新鮮でした。

まぁ主人公はネットを使い慣れている女子高生ってだけなのにコナン君並の洞察力があったりと、違和感はありましたが友達とか急遽雇った異国のおじさんとも協力して捜索する展開は好みでしたね。
それと全編PC画面ですがしっかり映画的なカット割が多用されていたり、そもそもそこカメラ付けていたりビデオ通話の必要ある?と思う場面も多々あったので、売りであるこの手法に対して気になってしまう点があったのは少し残念ではありました。
どうにもならなそうな箇所は再現ドラマでごり押すのもちょっと強引だったかも。

そう言えば捜索の為とは言え、親のマッチングアプリでのメッセージのやり取りを覗き見るって中々地獄だなと思いました。

気になる所もありましたが、いやー面白かった。
ラストのメッセージのやり取りは分かっていてもウルっと来ちゃって自分でもびっくり。
これは1も見てみたくなりますね。