HAYATO

ゴジラxコング 新たなる帝国のHAYATOのレビュー・感想・評価

4.2
2024年154本目
『ゴジラ-1.0』の影響もあってか北米でスマッシュヒットを達成しているモンスターバース第5作目
怪獣と人類が共生する世界。未確認生物特務機関・モナークが異常なシグナルを察知したことを発端に、ゴジラが君臨する地上世界とコングが生きる地底世界が交錯し、ゴジラとコングが激突する。しかし、その先にはさらなる未知の脅威が待ち受けており、怪獣たちの歴史と起源、さらには人類の存在そのものの謎に迫る新たな冒険が始まる。
監督のアダム・ウィンガード、アイリーン役のレベッカ・ホール、バーニー役のブライアン・タイリー・ヘンリー、ジア役のケイリー・ホトルら、前作のスタッフとキャストが名を連ねるほか、『美女と野獣』のダン・スティーヴンス、『キャッシュトラック』のアレックス・ファーンズ、『シャン・チー/テン・リングスの伝説』のファラ・チェンらが新たに出演する。
製作費はモンスターバース史上最低の1億3500万ドルながら記録的な成功を収めているのでワーナーとレジェンダリーはウハウハだろう。
人間ドラマ的な要素、人間の活躍を最小限に抑えた濃度100%の大怪獣バトル。ゴジラとコングという2大モンスターの激突、そして共闘。境界線を越えて巡り合うシェアード・ユニバースの醍醐味が詰まったような作品だ。ゴジラ70周年にふさわしいものだと言える。
人間たちよりもモンスターの方がよっぽど感情豊かに描かれていて、彼らが何を言っているのかわかってしまうシーンがいくつもある。特に、コングはこれまでよりも遥かに表情が豊かになっていてとてもかわいい。コングが「家族の存在」を求める過程で出会うベビーコングも重要な存在であり、最初は歯向かっていたが、いつしかコングの弟子になっていくところが何とも微笑ましい。
ローマをはじめ、世界の名所を遠慮なく破壊していくモンスターたちの戦いは迫力満点。人的被害は考えないようにしよう。持ち前の正義感の強さを発揮するコングと地球の守り神のゴジラ、そこにコングの弟子になったベビーコングとゴジラの親友であるモスラが加わり、共通の敵である赤毛の征服者・スカーキングに立ち向かうクライマックスバトルは大いに見応えがある。コロッセオを寝床にするなんて贅沢すぎるぞゴジラくん。
美しい自然と神秘的な魅力に満ちた地底世界のビジュアルも印象的。
ウィンガード監督は続編を考えているらしいので、是非ともお作りいただきたい。
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