都麦

シティーハンターの都麦のレビュー・感想・評価

シティーハンター(2024年製作の映画)
3.9
適当につけたのにクオリティ高くて面白くてびっくり。Netflix作品ではよくハイクオリティすぎる映像と拙い脚本のミスマッチを感じてそれが不愉快なんだけど、これは(原作ありきとはいえ)映像が脚本を際立て、脚本が映像を際立てていた。そして日本最高峰の役者たちがそれを導き寄せていたことも特筆に値する。内容としては当たり前に面白いシティハンターのストーリーに、2024年らしいトーヨコキッズ問題と国際犯罪とズブズブの国家機関を重ねていて、適度にオリジナルを出しつつも原作のロマンやルートからは絶対にブレないうまい脚本だと思った。
ルパン然り、日本のコミック(少し前の時代のものは特に)は女性の消費が激しく、さらに厄介なのがそれがキャラクターの人間性の大きな一部を担っていることが多い。作品自体は素晴らしいので残したいがその際踏襲しないべき文化をどのように削ぎ落とし、そうしつつもキャラクターのオリジナリティを損なわないようにするのかというのが難しいなと考えていたのがここ最近(『ルパンは今も燃えているか?』が最悪だったので)。
今回のシティ・ハンターは、(もちろん下品な描写が多い作品ということをわきまえて観ていたからだが)女性が消費されていることを憤りを覚えるくらい強く感じるほどは他の作品よりは酷くなかった気がしている。この点はおそらく元々の作品と大違いだろう。
その要因として二つ考えたのが、まずおそらくリョウの性格は変わらずとも、リョウが覗いたり触ったりと何か直接性犯罪をするセクハラ的描写が一切ないことが大きい(ましてやパンツを撮りたがるオタクたちからさりげなく守っていた)。そしてリョウの性格を表現する胸を強調したカットで使用されていたのはエキストラ的女性たちがほとんどで、冴子や香などの女性メインキャラクターをエロ消費するシーンが一切なかった。なるほどこれはうまい適応だなと感心。

日本漫画アニメ界よ、お風呂シーンやお着替えシーンはもう要らないぜ。つまんねえ性犯罪やめてカッコよくいこう。
都麦

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