ひろゆき

君たちはどう生きるかのひろゆきのレビュー・感想・評価

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
2.3
銀幕短評(#678)

「君たちはどう生きるか」
2023年、日本。2時間4分、公開中。

総合評価 45点。

うすく、「ネタばれ」しているかもしれません。読み飛ばしてください。

こういう映画が流行るのですね、今どきの若い人には(場内は わかいカップルばかりでした)。でも、わたしは ひねくれ者なので、本作にはまったく納得できないですね。評点は30点でもいいと思う(けど、あまりみなさんの反感を買うのもいやなので、この点にします。ひねくれ者の弱虫です)。

なぜなら既視感ありありだからですね。もう寅さんの世界ですよ。この映画がどういう意図と目的で製作されたか よくわかりませんが、意味がわからない小道具(ギミック)がとてつもなく多い。風だの火だの石だの水だのと、何の必然性もない 仕掛けや小ネタが つまらない局面と局面との、単なるつなぎ役として、さも重要なものとして利用される。その繰り返しが一度や二度ならまだしも、それがいちいち延々と繰り出される。さらには、その造形が安っぽい。そこにはなんらの一貫性も精神性もない。これには げんなりさせられます。まるで安普請(やすぶしん)の RPGのプレイを見ているようだ。そもそも作中の主人公の顔かたちが、ほかのジブリ作とそっくりだ。ああ、ここには一貫性がある というべきかもしれませんが。

前々回に感想を書いた、本年公開「スパイダーマン:AtSV」、このアニメの鮮烈な技術・技巧には 文字通り目を奪われたのですが、このジブリ作は テクニックにおいてあれよりも10年以上は遅れている。こういう素朴感、手作り感がジブリの持ち味なんだよ、というのは承知しますが、そもそもキャラクター(登場人物)に目あたらしい魅力がない。いちいちが 従来作の焼き直し、「ひらけポンキッキ」のキャラの焼き直し、そんな感じがします。ただ脇役の大きな鳥、あの鳥はとてもよくできていると思います。主人公より魅力があります。

(おまけ)

あとは、いつもどおりの むだ話しですが。禁忌(=タブー)、といういい回しが作中に3回4回ほど出てきますね。声優は「きんき」という三文字コトバを 平板アクセントで発声します。でもわたしの記憶では、アタマの「き」にアクセントを置くのが正解のように思います。NHKの「アクセント辞典」をみると、そう書いているかもしれないし、違うかもしれません。現代語に正解はないので、この辞書自体がもう絶版になっているかもしれない。
ことばは流動的であることは どこかで書きました。そして 方向としては かならず、複雑な形態から単純な形へと変化(へんげ)するともいいました。発音にしろ アクセントにせよ 文法にしても。
平板アクセントは最近とても多く見られます。テレビのアナウンサーでも 平気で使う。わたしはそれに いちいちイラっとする。そのうち いつもひっかかるのが、「クラブ」です。クにアクセントがあると、ゴルフクラブや倶楽部を想像するし、平板アクセントにするといわゆるナイトクラブを示すという(これにもイラっとするのですが)。なんだか区別しずらいので、わたしはいつも伝統的な「ディスコ」と呼んで、ちいさな ィにアクセントを置いて区別しますよ。「サタデー・ナイト・フィーバー」、なつかしいですね、まだ観てないけど。ビージーズの あのノリノリの主題歌は 大好きです。
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