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波紋のlabyrinthのレビュー・感想・評価

波紋(2023年製作の映画)
3.1
 朝イチ、旦那の足裏からのアップからのイビキ!
頭の向きを逆に寝ている。
ダブルベッド、ムッとしている顔の主人公の奥さん。
主人公は起き上がり、旦那のお手入れしている庭の花壇を見ている・・・。
そして、毎日だらけている旦那と子供。寝たっきりの旦那の父親の介護・・・・・。

もう、嫁にとっては『絶望』の日々です。

時代設定が、東日本大震災後の日本。

ある日、旦那が失踪。
主人公は1人、介護。
そして、宗教団体にのめり込む・・・・・。
子供は逃げるように九州の大学に進学に就職。
主人公は、1軒家に一人。

東日本大震災後、介護問題、
高額な物を買わせる宗教、
家族問題、差別問題、ご近所トラブル、
パート先の厄介なお客様問題、更年期障害、
そして、旦那の失踪。
あと、予告無しに息子がいきなり『結婚』するって実家に戻る。

世の中でよく聞く問題が、主人公1人・・・におおいかかる。
誰もが1つ2つ、抱えるだろう問題ばかりです。

ラストシーンは、この映画ポスター。
赤い傘を持ってフラメンコです。
何か、吹っ切れたのか?
笑顔です。

この映画、
殺人とか荒々しさ有りません。
色々な問題について考えさせられるものでした。

記憶に残るシーン。
主人公を助けたのは、宗教団体でなく、職場の同僚の『いい人でなくても良いんだよっ』の言葉に救われ、表情が明るくなっていくところ。
もう1つ記憶に残るシーン。
スタートから、シーン、シーンごとにバックミュージック的な手をたたく音が入ります。
これが、ラストシーンでのフラメンコの手をたたく音に繋がり『自分に拍手』のように笑顔で踊りながら、手をたたきます。

主人公の筒井真理子さんの絶望の表情が、
リアルで・・・・・怖く感じた。凄い俳優さんと改めて思う。
光石研さんも家から妻から逃げて10年後戻ってきた、あの!あの時の申し訳なさそうな演技。
磯村勇斗さんの複雑な家庭の息子を演じきり。
木野花さんの主人公の支えとなる、姉御ぶり。
キムラ緑子さんと平岩紙さんと江口のりこさんの宗教団体の信者ぶりが凄い。
柄本明さんは、ほんの数分しか出ないクレーマー客役は、記憶に残るバイプレーヤー。

ムロツヨシさんは、さてどこに出たでしょう的な『ウォーリーを探せ』状態です。
是非、映画館で探してみてください。
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