さるやん

みなに幸あれのさるやんのレビュー・感想・評価

みなに幸あれ(2023年製作の映画)
3.5
みなさん、"田舎"ってありますか。

こんにちは、さるやんです。
さるやんの祖父母もそうですが、母方の実家も富山県だったので子供の頃は東京からよく夏休みなどに富山の親戚の家々を泊まりに行った記憶があります。
今は新幹線が通って早く行けるようになりましたが、当時は6時間程かかったように思えます。
途中、切り替えポイントの、駅でよく峠の釜飯弁当を買ってもらって食べた記憶もあります。

そして、今回レビューするのは
まさに、田舎帰省ホラーともいえるジャンルです。

田舎の家ってやたら広くて部屋が多く何に使うのかわからない道具とかおいてあったりしてすこし怖いですよね。

脚本の角田ルミさんは近作"ミンナのウタ"で最近のJホラーのダメさに風穴を開けてくれた方ですが、この方、他人の家、というものの恐怖に対するこだわりがとても上手い方だと思います。

序盤にでてくる2階奥の部屋に関してもやたら廊下が長く感じてその前後のスペースの利用もうまいなと、感じました。

余談ですが子供の頃に泊まりに行った家はトイレが離れにあり、その離れの木枠から外がみえて、大きな木がたっているという、横溝正史の"悪魔が来りて笛を吹く"で悪魔が横笛をふいてるロケーションにそっくりであまりの強わさにといれに親についていってもらったのはいうまでもありませんでした。

そんな、田舎の家屋に対する恐怖感、なにが潜んでいるかわからないところをうまく表現していたし、田舎のおじいちゃおばあちゃ、という家族ではあるんだけどたまにしかあわない近くて遠い存在の不気味かんも上手くでてたように思います。

細かく説明はしませんが、"しあわせ"になるための法則とそれがなされなかったときの反動のルールがいまいち明確でなかったのであまりにも唐突だったし、それをしなかった家だってそれなりに暮らせいたので、むしろ"しあわせ"を獲得しそれを維持することが呪いのようにおもえましたし、終盤あのおなかポッコリイベントとかちよっと意味がわからないシーンもあったり、ちよっとお笑いに逃げた感も感じて後半おしかった、という感想です。

ただいままでにない手応えもたしかに感じてるのでこのあと角田ルミさんの新作に注目していきたいと思ってます。
さるやん

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