小枝

マイ・エレメントの小枝のネタバレレビュー・内容・結末

マイ・エレメント(2023年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

エレメントシティにおいて火の一族は“移民”であり、本土の信仰が強い他属性からは迫害に近い扱いを受けているという根底がエンバーのお父さんのキャラ造詣に一躍買っているという、主人公の両親を引き立てる設定凄!と思ったし、その苦労をやや重く受け止めすぎなエンバーに共感して…

新鮮で明瞭なストーリーライン。レッサーパンダ辺りからピクサーはヴィラン描きませんよね。闘いは自分の中で起こる。明確に越えるべき対象がいなくても、こんだけ感動できるもんなんだと思った。エンバーの心理描写と葛藤と魅せ方だけでここまで満足できるの凄すぎる。エンバーが自分の感情を正直に言語化できる子だからスムーズに感情移入できた。

大好きな人から褒めてもらうのは嬉しいけど、褒められてる自分ってもう完成してる自分なんですよね。そうじゃなくて、失望させるかもしれないし、見捨てられるかもしれないけれど、本当になりたい自分っていうのは未完成な自分。心に従って大切な人に本心を伝えることは怖いけど、ウェイドがエンバーの背中を押すシステム。エンバーとウェイドが浜辺で話すシーン水平線に太陽が沈んでいく描写が、あまりにも綺麗に「火と水の交わり」を隠喩していて、そのシーンが差し込まれるタイミングが綺麗すぎて感動した。

ウェイドは軸を食っているけど行動が苦手。エンバーは行動力あるけど上手く軸を食ってないと言う対比。キャラの造詣が深く、これがアニメーションなんだよ!これが「君たちはどう生きるか」なんだよ…
小枝

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