あんず

愛と哀しみのボレロのあんずのレビュー・感想・評価

愛と哀しみのボレロ(1981年製作の映画)
4.3
長いこと観たかった作品なのに、勝手にバレエダンサーの恋愛物語だと大勘違いをしていた。3時間に及ぶ恋愛映画って?と思っていたら、二世代四家族の戦争に翻弄された人々の壮大なる愛と芸術の物語だった。

この人誰だっけ?現象がこんなに頻発した作品は初めて。名前と国名を都度、テロップで出して欲しいくらい💦一人二役の場合もあるから、もう混乱🌀しかも、国境を越えて、その人たちやその友人らの人生が複雑に絡み合って行く。でも、人間関係がよく分からなくても楽しめてしまうのが、この作品の不思議な魅力✨

期待していたバレエシーンは期待以上。これが観られただけでも観た甲斐がある。オペラ座でのバレエシーンは跳躍が高く、美しく、しなやかで、うっとり😍ラストのチャリティーコンサートで赤十字マークを纏ったエッフェル塔を背景に、ボレロを踊るシーンは、圧巻✴
そして、鼓動のような繰り返す規則的なボレロのリズムの中、指揮者、歌手、司会者、観客、視聴者などそれぞれの立場で、それぞれの想いを抱えてその舞を観ている所が、命の繋がり、運命の交錯を感じさせる。

どえらい作品を観た、というか、歴史を目撃したような気分。またいつか、今度は相関図を手に鑑賞してみたい。


2024.3.17 TOHOシネマズ上大岡
午前10時の映画祭にて

劇場で観られる機会があるのならば、行かねば、と。前回は登場人物の多さと関係性がよく分からない部分があったので、今回は人物の関係を復習して挑んだ。それでも、この人って?となることが少しあった。けれど、物語の流れは分かっているので観やすかった。

戦争に翻弄された家族たちがラスト、パリのエッフェル塔の前(それを映すテレビの前)
に集まり、ボレロを鑑賞するシーンは本当に圧巻。繰り返すリズムとメロディや生命力に満ちたダンスが、何があっても生きて行く、ただただ今を生きることを表しているような気がする。

この作品のジョルジュ・ドンのバレエを観て、どうしても生でボレロが観てみたくなり、ちょうど3月末に上野水香の公演を観た。やはり、ただただ生きるというすごいエネルギーを感じて感動した。ちょうどジョルジュ・ドンのもう手に入らないのかなと思っていたDVDが売っていたので、買って帰って来た。
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