この作品と「花束みたいな恋をした」を同時摂取したら、多分オーバードーズで死ぬんじゃないかというくらい、ダメージ受けた。
それくらい身に覚えがありすぎて、掃除が行き届かないところにめっちゃカビ生えてたのを見つけてしまったように、見なかったことにしていた自分の嫌なところを自覚させられてしまう作品でした。
うまく行く夫婦やカップルって、いろんなパターンがあると思うけど、自分が思うのは、お互いの能力を比べられるような領域で仕事をしていないこと、得意なことの方向性が違うことが大事かもしれない。
男はプライド高い人が多いので、自分より相手が能力があるとか思い知らされたらやっぱり正常じゃいられない。
修一が莉奈になぜ私のことを好きなのか問うた時に「かわいそうだから」と言ったのは絶対に口にしてはいけない言葉だけど、シンプルにいうと良くない恋愛の根底にはこれがあるんだと思う。
人間とペットの関係が不健全だとは全く思わないけど、ペットがかわいいのは、何も自分でできないし、自分がお世話してあげないと生活できないから、という側面もある。それと同じことが人間の恋愛にも起こってしまうことがある。
そういう関係になれば、「かわいそう」だから好きな相手が、かわいそうじゃなくなっていけば面白くない。莉奈が「私がうまく行くのがいやなの？」って聞くのはそういうことなんだろう。
自分にも「相手がうまく行くのがなんか嫌」っていう気持ちがあって、めちゃくちゃ自己嫌悪なんだけど、そこをまざまざと見せつけられて居心地が悪すぎた。
自分の嫌なところが具現化されたような修一という人物が、どんどん悪い方向に行ってる様を、平常心で見ていられなかった。傷付けあってお互いの好きを確かめようとする感じも心当たりあります。
主演の黒羽麻璃央さん、穂志もえかさんは素晴らしかったし、最近ドラマでもたくさん見る安井順平さんはしっかり腹立つ役を器用に演じていて、第二の八嶋智人じゃないかと思う。
同棲とか相手への依存とか、そんなキーワードに心当たりある方、どうぞ。
