しゅうへい

ヴィーガンズ・ハムのしゅうへいのレビュー・感想・評価

ヴィーガンズ・ハム(2021年製作の映画)
4.0
『ヴィーガンズ・ハム』(2021)
原題:Barbaque

「人狩り行こうぜ!」

■肉屋を営むある夫婦が経営難に陥る。そんな中、店を襲ったヴィーガン活動家の1人を、夫が誤って殺してしまう。死体の処理に困った彼は、ハムに加工して証拠隠滅を図る。しかし、妻の勘違いでそのハムを店頭に並べると、思わぬ人気商品となり…。

■肉×皮肉/肉屋の夫婦が繰り広げる人間狩りを描いたフランス発のブラックコメディ。戦慄の人間狩りとカニバリズム、夫婦愛のコントラストが利いた不謹慎な笑いが満載!

夫「一番美味い牛は神戸牛だ!
  だったらオレたちは神戸ヴィーガンを作ろう!」
妻「穏やかでワクチンを打ってて、
  性転換したヴィーガンを見つけないとね(ニヤリ)」

猟奇殺人鬼マニアの妻が何の躊躇いもなく考案するヴィーガンの殺し方。乗り気になれず葛藤するも、徐々に食欲が掻き立てられ、人狩りを楽しむようになる夫。人肉ハムで店が繁盛してから、冷め切った夫婦仲が少しずつ改善していく様子は、起きている出来事とは裏腹にハートフルさすら感じられる。

現代でここまで痛快なブラックコメディがあっていいのか。過激派菜食主義者への世界規模のヘイトをエンタメへと昇華した作品。ただしこの笑いは紙一重…。過度に偏った思想を他者へ強要することは大罪です!“貴方は貴方、私は私”これでいいんです。共存する以上、お互いを尊重し、相容れない存在であろうと、最低限の思いやりを持ちましょう。それが人間社会です。

グロテスク描写・カニバリズム耐性のない方は観ないでください。悪趣味なエンタメとして楽しめたら文句無しです。機内食(肉)と共に観る今作は格別!その日の夕食は、幸か不幸か焼肉!
しゅうへい

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