回想シーンでご飯3杯いける

アイデア・オブ・ユー ~大人の愛が叶うまで~の回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

2.0
アン・ハサウェイ、ニコラス・ガリツィン、コーチェラ・フェスティバル、スターとの恋。とても分かり易いこれらの情報が並ぶだけで、手堅くヒット(配信作品の場合は再生回数)が見込めるのだろう。言い方を変えると、作品の中身以前に、情報が観客の頭の中でイメージや評価を形成する。公開前の作品に対してFilmarksで5点満点のレビューが並ぶのも、この流れの延長にあるように思う。

日本では「推し」と呼ばれているけど、海外でもその流れは近年顕著なようで、本作もハリー・スタイルズのファンが作った小説を基に映像化したものらしい。ニコラス・ガリツィンが演じるヘイズ・キャンベルはハリー・スタイルズっぽいし、彼が所属するグループ、オーガスト・ムーンはワン・ダイレクションを思わせる。

しかし、このオーガスト・ムーンの音楽がびっくりするぐらいショボい。作品内でも「中二病」っぽいと揶揄されているので、一応はアイドルポップス的な青臭さを持つ音楽という自覚のもとに挿入されているのだろうけど、それにしても通して聞くのが恥ずかしいレベル。このテイストのアーティストは、恐らくコーチェラ・フェスティバルには出られないはず。そういう意味でも、作品の設定に違和感があって、どうにも話に入っていけない(コーチェラで撮影したシーンは数秒だけではないだろうか)。

ここまで書いてきて、結局僕はコーチェラが本作に名前の使用を許可した事が気に入らないのかもしれないと思った。それと、アン・ハサウェイはもうちょっと仕事を選んで欲しい。突然のラブシーンというよりエロシーンにがっかりだ。

ファン・フィクションや推し文化については、僕は興味が無いけれど、存在を否定できる立場ではないので何とも言えないし、Filmarksで語る領域の話でもないと思うので控える。

※このレビューの酷評は、次の「私がケーキを焼く理由」のレビューと対になっています。