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美と殺戮のすべてのLifewithmoviesのレビュー・感想・評価

美と殺戮のすべて(2022年製作の映画)
3.4
第79回(2022)ヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞作品。
写真家ナン・ゴールディンの人生と、彼女が医療用麻薬オキシコンチンを販売する製薬会社パーデュー・ファーマ社とそのオーナーである大富豪サックラー家を糾弾するドキュメンタリー。
二つの主題が平行して映画れているが、ナン・ゴールディンの人生にあまり興味を持てず、作品の価値が半減してしまった。
また、サックラー一族が多額の寄付をしている博物館や美術館、例えば、メトロポリタン美術館やナショナル・ポートレート・ギャラリー(ロンドン)、テート美術館、グッゲンハイム美術館などに寄付を拒否すると共に、寄付の過去を消し、同一族との断絶を要求する運動を展開するのだけれど、ドキュメンタリーとして、少し不足を感じてしまう。サックラー一族と芸術界の「癒着」はどのようにして展開したのか。美術館や博物館の責任者は、何か声明を出したのか。パトロンとして、どのような付き合いをしていたのか。そういった美術界の裏側がまったく取材されていないので、闇が少し浅く感じてしまう。
2024年3月30日@MOVIX京都
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