染夫木智也

映画ドラえもん のび太と空の理想郷(ユートピア)の染夫木智也のレビュー・感想・評価

4.0
見終わったら、日常の景色が少し違って見える。大人向けの映画ドラえもん。

ドラえもん長編映画42作目となる。

監督は堂山卓見さん、そして、脚本は「リーガルハイ」「コンフィデンスマンJP」「どうする家康」など今ノリに乗ってい古沢良太さん。

STORYは、誰もが幸せに暮らせる場所ユートピアの話を聞いたのび太はある日空を眺めてたら、空に浮かぶ三日月の島を見つける。
いつメン達と三日月の島へ向かうと、そこは誰もがパーフェクトになれる夢のような楽園パラダピアだった。そこで数日暮らし、パーフェクト小学生を目指そうとするが、その島には秘密が隠されていた。。。

キャストはレギュラーキャストの水田わさびさん、大原めぐみさん、かかがゆみさん、木村昴さんに加えゲストとして、キンプリの永瀬廉さん、井上麻里奈さん、水瀬いのりさん、山里良太さんが出ている。

十数年ぶりにドラえもんの映画を見たんやけども、クオリティの高さにマジで感動してしまった。これは子供よりも親の方が感動する、大人向けのドラえもん。

まず、テーマが深い。
楽園パラダビアにてパーフェクトな人間を目指すが、実はそれは個性を失い、ただ支配されるだけの存在を意味している。
まさに人類の永遠のテーマ、幸せを求めて宗教や組織に入るが、実は洗脳につながっていたに近い話。
これをドラえもんでやるのか??っていう。

それに加え、いつもの日常のゆるいやりとりから、子供たちも喜ぶ道具のデザイン、アクションシーンからの深いテーマ、そしてラストのラストまで本当に無駄のないストーリーに感動した。
ドラえもんって子供向けの優しい内容だと思っていたけど、全然違う上質な内容だった。

ちょっと気になる部分としては、久々にドラえもんを見たせいなのか、のび太の部屋の間取りが変わっていた。
そして、日常シーンでのび太がしずかちゃんを遊びに誘う際に、「あやとりしよー」って話しかけるんやけど、令和の時代に「あやとり」って。
それなら、switchでスプラトゥーンやろうって方が違和感無いと思う。
今の子供たちに「あやとり」が伝わるのかが気になった。


監督のコメントにもあったけど、本作はコロナ影響で会いたい人に会えない状況だからこそ、今いる場所や周りにいる人の良さを大切にする作品にしたかったらしい。
見終わった後に、冒険を終えたのび太と同じように日常がちょっと違って見えるような映画経験ができる。
スタンドバイミードラえもんとは大違いですわ!!!!

あと、パンフレットのクオリティも凄く高かった。
シールや工作できる付録があったり、子供が絶対喜ぶと思う。
すべてのクオリティに圧倒されました。