冷たさと、暖かさが心地よい映画。
悪人は罰を受けなければならない。
やっていることは真新しさもなく単純なんだけど、この単純さが逆に新鮮さを感じさせる。
逆にいえば、描写力と魅せ方が丁寧ならば、変に趣向を凝らさなくても、映画というものは十分に楽しめるという好例。
″あなたは良い人間か、悪い人間か?″
マッコールがイタリア、ナポリにいた理由とは?
その地で彼は思いがけず、善良な人々を苦しめるマフィアの悪行に直面する。
暖かい住民との交わりと、マフィアによる暴力の冷酷さが同居する街で、マッコールは動き出す。
「私が迷った時」
正義の徒であるように見えて、実はかなり個人的感情に突き動かされ、その制裁のためには殺しも辞さないマッコールは、ある意味でマフィアの映し鏡のようにも思える。
無論、彼は犯罪行為など犯さない。
人を殺すということを除いては。
″わからない″
善人か、悪人か。彼は自問し続けることでしょう。彼がきっと、悪人ではないが故に。
マッコールがイタリアにいた、本当の理由。結局それが、彼という人間を映していたのです。