「歌 教えてくれへん?」
「友達ちゃうんやから
カラオケなんて行きませんよ」
「ハイエナの兄貴はあの時死んだんや
そん時に天使の歌声に出会ったんや
お告げやと思ったわ」
「家着いたらLINEしてな」
「何でですか」
「夜道ひとりで危ないやろ 心配やん
聡実くん おやすみ」
「愛いうんは与えるもんらしいで」
「何を?」
「何をやろ」
「カラオケ 行こ」
「聡実くん かわいいなぁ」
「ソプラノが綺麗に出んからもうダメや」
「綺麗なもんしかダメなんやったら
この街ごと全滅や」
[次会ったら元気をあげます]
[ごめんな]
「聡実くんいつも丁寧な敬語やのに
キレるとフリーザみたいやな]
[このお守りなんですか?]
「これが守ってくれたわ
聡実くん置いて死なれへんし」
『あんたが去った時振り返られへんかった
ハートがめっちゃ痛い
追いかけ続けてしまいそうで怖い
思い出の中のあんたは光ってんで
ピカピカや』