やべべっち

ナワリヌイのやべべっちのネタバレレビュー・内容・結末

ナワリヌイ(2022年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

ナワリヌイ死去のニュースが出てからこの映画を見始めた。プーチンの政敵として民衆の見方としてカリスマ的存在であるナワリヌイ。毒を盛られたり、それを嘘電話で引っ掛けてSNSで投稿する様は臨場感がある。そして奥さんも娘も可愛く絵に描いたような家族。アメリカから帰国する際に空港でナワリヌイは逮捕されてしまう。中々着陸しない飛行機の中で何かを悟ったように肩を落とすナワリヌイ、任意同行を求められ覚悟していたように最後に妻と抱擁を交わすナワリヌイ。

それはそれは臨場感のあるドキュメンタリーに仕上がっている。このSNSなどネットで悪評判が拡散され引きずり下ろされる時代にあってロシアは時代と逆行するかのように独裁政府、独裁政治がこの令和の時代でもまかり通ってしまう。それは怒りというより恐怖というより不思議ではある。

ウクライナ戦争を仕掛けるロシアは対外国から経済制裁を受けている。なのにロシアではナワリヌイではなくプーチンを支持する人の方が多い。「悪が栄えるのは善が何もしないからだ」とナワリヌイは言う。映画を見ている時は成程と思う、プーチンは良くないことは何となく分かった。けれどナワリヌイは善人なのだろうか?彼の政治政策は何だったのだろうか。単なる反逆のカリスマに過ぎなかったではないのか。そんな疑問が沸々と湧いてくる。

自分が世の中について知らないと思える映画ではあった。「ナワリヌイ プーチンが最も恐れる男の真実」を読んで更に感想は足したいと思う。