ひるるく

ゴールデンカムイのひるるくのレビュー・感想・評価

ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)
3.8
日露戦争から帰還した不死身の異名を持つ杉元は砂金を求めて北海道へ、ある会話からアイヌの金塊、そのありかを示すヒントが24人の脱獄囚の人肌に彫り込まれた刺青にあると知った事から始まるアクションサバイバルエンターテイメント。

アニメは全視聴、漫画は映画で描かれている3巻目まで読了。

冒頭の二百三高地の戦場に象徴されるアクション、北海道の雄大な自然、アイヌ文化、キャラクターの造形と原作に忠実ながら二次元の世界がしっくりと実写に馴染んでいたのは良かったですね。

漫画の実写化で怖いのは3次元にトレースした時に映像に凄い違和感がある事だと思うのですが、やはりキングダムと同様にVFX、CGが格段に以前の邦画と比べれば良くなったので克服しつつありますね、ケレン味のあるアクションやヒグマや大狼の描写、現地ロケの自然と漫画より世界観が立体的になっており、やはりこれは映画ならではでした。

映像以外でも杉元、アシリパ、白石、鶴見中尉、尾形、谷垣、月島、二階堂、土方、牛山のキャスティングも違和感はありませんでした。

そして再現性と同時に改変要素(ほぼ無いですが)もまた絶妙で特に脚本が素晴らしかったです、キングダムと違いエピソードごとに権力闘争、合戦の勝利や人物の成長といった明確なゴールがないだけに難しかったはずですが、原作のある回想エピソードをクライマックスに持ってきた再構築は黒岩勉さん上手すぎですね、杉元が金塊を求める理由が明らかになった時に人物像が共感を持って浮かび上がるカタルシスにうるりとしました。

途中、原作に忠実なあまりテンポが悪いなと思う所もありましたが、終わりよければ全て良し、続編を前提にしたイントロデュースとしてはほぼ完璧だと思いました、シリーズ物ゆえ全体像がまだ見えないため低めのスコア。ヒンナヒンナ
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