どーもキューブ

クライムズ・オブ・ザ・フューチャーのどーもキューブのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

クローネンバーグの戦慄の手術ショウ
【長文ご免版】


カナダ、ギリシャ作品。
デヴィッドクローネンバーグ監督脚本。


クローネンバーグの新作が来ると。しかも 新潟にも劇場へくるとのこと。なんだか「裸のランチ」で出演してたクリーチャーみたいなのが張り付いているモーテンセン。

2023年8月の夏、公開されると連日ツイッターのトレンドに上がっている現象。

ツイッター、YouTubeで特集番組2つ立ち上げ柳下さんの番組をちょっとみた。

書店では、本作の書籍が販売店されていた。この時点で、単なる新作じゃないことから、見たい度が抜群に上昇。


お気に入りホラー映画作家、デビィッドクローネンバーグ。だいたいの作品は鑑賞済。確か劇場でみた「マップトゥザスター」以来。


今まで見てきた作品をおさらい短いレビューにて。

大学内で撮りあげた医者的ゴダール映画のような短編「ステレオ」デビュー作。

同タイトル作「クライムオブザフューチャー」は、ビデオがレア過ぎて無かった。

脳みそバーンで世界突破。続編も出来た超能力戦争「スキャナーズ」

カナダ時代の最高傑作、ポルノケーブルテレビのセクシャルなビデオ結合映画「ビデオドローム」私のクローネンバーグ最高作。2023年4Kディレクターズカット版が只今リバイバル上映中!

そのマンション、発狂虫マンションにつき、女性注意「シーバース」

転換点の一つ。双子の医師の相思相愛手術「戦慄の絆」

転換点の一つ。実在の男で実は女の存
在ドラマ「エムバタフライ」

見てレビュー書いたけど忘れてる「エム・バタフライ」

ゲームをしてたら虫と融合のつながるゲーム世界「イグジステンス」

カーセックスと事故衝動にかられた人々「クラッシュ」

ウイリアムバロウズを映画化した大失敗で成功作品、別名虫のタイプ「裸のランチ」バロウズをクローネンバーグ解釈。タイプライターのクリーチャーはここから。

「ヒストリーオブバイオレンス」
内容失念、イースタンプロミスに ひっぱられている。

その男静かで華麗なる肉体暴力男「イースタンプロミス」

僕の総てはカーから見える贅沢な世界カーウインド、新境地「コズモポリス」とても変なドライブ映画で好き。

8月下旬、ティジョイ新潟で見てきた。



いやあ何見せられてんだろうという心境 。とともに長年クローネンバーグを追っかけ見てきた自分にとっては、なかなかなんだか凄い世界観が広がっているクローネンバーグ犯罪未来に突入した感じが凄かった。

物語は、なんだか病人っぽいモーテンセン。パートナーのレアセドゥが 付き添う。見ていくうちになんだか人体マッドサイエンス的なアートがある。そこに組織やら、クリスチャンスチュアートの化学者やらが加わりクローネンバーグの福祉的クローネンバーグ手術の 宴が、はじまる。さてどうなる?みたいな話。

物語はぶっとんでいる、かつ解説なんてしない。いつもどうりの世界観。だが、明らかに野心的でかつ、笑えて、いきなり気持ち悪いシーズンきて、時々エロティックで、素晴らしく勇敢に集大成的にクローネンバーグ手術犯罪美術世界が短く感じた。よかったのだ。

各種ユーチューブ、雑誌が熱狂する理由がわかった。

クローネンバーグは、やはりずーっとおんなじようなホラー映画 やバイオレンス映画ばっか撮っている。私の好きなデビィッドリンチに通ずる。自分の映画を説明はぶき、投げ出した世界観でさあ楽しんでくれという世界観だ。

また出演してる2大女優が、抜群にエロスを放ち、怪しさを魅力魅了し堪らない感じだった。それは、レアセドゥとクリスチャンスチュアートだった。もう抜群にハマリまくった助演だった。

そして主役のヴィゴ・モーテンセン。本作では、病弱で謎めく、病人のようなだけど精力絶倫のような不思議な弱い男を演じていた。
黒装束で咳をするヴィゴ。喉が痛いというわりに調査したり、指示したりする力強さ(笑)けどなんか病気のビィコを見守る映画だ。
ヴィゴ・モーテンセンは、本作では、あくまでストーリーテラー的行動者。


レアセドゥも良し。なんか、ちょっと、みたことあるんだよな、と思ったら、ボンドガールでした。「007スペクター」は、途中まで見てやめた駄目ボンドのやつでした、まだ見れてない挫折したボンドでした。今のクレイグボンドは、「スカイフォール」から見る気無くしてます。「スターウォーズ」シリーズも同様。
本作では、クローネンバーグ特有のいやらしさを身にまとい変貌するレアセドゥ。段々劇中で変態変容していき、圧倒された。
ヴィゴを介護し、ともにマッドな世界観を見つめる彼女役。


意味わからない、これで終わりというレビュー散見多数。だが、今までの流れをしっかり見ている私からみると、

こんなに自由で
少ない予算でSFディストピアを魅せ

物語も投げ出し感、半端そのまんま次進む感じは昔から。
素晴らしい洗練と、薄気味悪さといやらしさが交わりかつキショイ、エロい三拍子揃いすぎ。

クリスチャン スチュアート、よかったわあ!!
思わず出た時にいやあ来たあ~適役、変な感じ、その色気。素晴らしかった。絶賛コメント多数。研究者で、欲求不満者で早口。ヴィゴ との共演シーン必見。

いきなり 東京に遊びにきたり、確か同性愛表面してた?!こういうアーティスティックな作品にばんばん出演してほしい。アジャーニの「ボゼッション」みたいなのやってほしいなあ。好きな女優さんです。


ヴィゴにまとわりつく怪物!みたいな機械必見。これを見たとき私も思ったがチャップリンの「モダンタイムス」かと思った。
 映画評論家の柳下さんが、YouTube でクローネンバーグに質問してたが、笑顔で嬉しそうに関係ないと言っていた。
メカはコントにすらみえます。松本人志 のコントネタに一瞬すりかわったり、アートじゃなくてお笑いライブじゃないよね?



明らかに痛い、絶叫シーンなのに
皆スマイルを浮かべる
という今までクローネンバーグがやってきた。
マッドサイエンスな快楽が広がるのだ。


「ビデオドローム」のビデオ、テレビと一帯になる感覚
「戦慄の絆」の手術
「ザフライ」の蚊と人間の合体
「クラッシュ」の交通事故と快楽的セックス

みーんな裏テーマは同じ。ある意味だから、デヴィッドリンチと似ているのよね。同形質 の映画ばかり撮ってる映画監督だ。ホラーで、自分のフィールドで、医師だった経歴からくる身体的フェチ っぽいホラーだ。セクシャルなホラーセックス描写だ。

本作では、その世界観が少ない予算だけど遺憾なく発揮していて、みながら興奮すらした。


サブキャラも良くて、今後なんか関係あるかなと思いきや投げ っぱなし。

クリスチャンスチュアートの上司、謎大学教授。
二人組の同性愛カップルの労働者。 笑えて、真面目で、不思議キャラだった。
変なチョコレートをつくる組織。

1個1個つまんで広げるとドラマ一話 ぶんできそうな感じ。キャラを広げるだけひろげて、あと描かない投げだし感も笑えた。



さて
クローネンバーグの未来のアートな手術
集大成的素晴らしくディストピアなクローネンバーグ

ファン必見の出来!
ぜひ!


フィルマ板追記
今年 ナンバーワンかも?!だってよかったからね!クローネンバーグファンは、溜飲下がる良さ。今まで暴力映画とかハリウッド話とかわりと真面目テイストだったから、やっと本領発揮!

「いよ!クローネンバーグ!」

ていう見たかった本来回帰で。わたしは、劇場帰り道全然良い気分 で帰れなかったのも含め、惚れ直したクローネンバーグ作品だった。 

また新作撮ってるから楽しみ過ぎる。80代突入でこの世界観はスゲエって、ある意味黒澤明の「夢」的境地なんだよなあ。

クローネンバーグは、インタビューで、いつもの公園でいつものスタッフと遊んでいるだけさとズームインタビューで言っていたが、明らかな集大成的フィルムになってきていたのがやはり興味深い。また高齢な映画監督の撮りあげたのが、コレだから凄いのだ!

スコセッシの「ウルフオブウォールストリート」もそう!
スピルバーグの「フェイブルマン」もそう!
リンチの「インランドエンパイア」やテレビ「ツインピークスリミテッドイベント」もそう!

映画監督の高齢になって撮る映画の
やりたい事を表現する身軽さのような
自由さ、豊かさが増してる感じが本作にはあった。間違いない…

クローネンバーグまたビデオロームのハードコア版みたいなの作ってくれないかなあ?!なんてね。

映画監督の老齢期作品は、誰でも気になるわたしだす!
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