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『ノスタルジア』に投稿された感想・評価

netfilms

netfilmsの感想・評価

3.8
 男はいま、約40年ぶりに故郷イタリア・ナポリに戻って来た。エジプト・カイロに妻や子を残し、勝手知ったるナポリのサニタ地区は40年前とは何もかもが違って見える。その風景の変化を確かめながら、男はひたすら生家を目指す。奇妙な螺旋階段を昇った先にその部屋はあったが、そこには見たこともない移民が住んでいた。時が移ろえば人もまた移ろい行く。実は下の階に彼が一目会いたかった人は身を屈めるように住んでいた。40年ぶりの母と息子の再会にフェリーチェ・ラスコ(ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ)は思わず涙ぐむのだ。だが既に母親の肉体は弱っており、目は見えなくなっていた。かつての気丈だった頃の姿は見る影もない。その背中は心なしか小さく見える。主人公のフェリーチェ・ラスコがこの街に戻った意味がわからない。単なる里帰りならカイロから妻と子供を連れて来たはずで、遠く離れたアフリカの地で建築会社を経営するという男にはこんな所で過去を懐かんでいる暇はないはずだが、男は街を彷徨い歩くのだがそこに男の焦燥の全ては拡がっている。

 今年のカンヌ国際映画祭コンペティション部門に選ばれ、主演のピエルフランチェスコ・ファヴィーノの重厚な演技が絶賛された名匠マリオ・マルトーネ監督の濃密なドラマは、住み慣れた懐かしい街で強烈な邂逅と驚くべき秘密が待ち構える。その質感としては正にミヒャエル・ハネケの『隠された記憶』にも近い。40年余り1度も顧みたことない街の風景は然しながら、彼の隠された記憶を呼び覚ますには十分で、フェリーチェの胸に若き日の親友の姿が去来する。現在のシネスコ・サイズの画面に対してスタンダード・サイズで撮られた当時の映像は巨匠の新作としてはやや安易にも見えるものの、招かれざる客の登場に街の喧騒が高まる中盤の展開はなかなかに素晴らしい。然しながらあまり明確ではない母親の死から突如現れたルイージ神父(フランチェスコ・ディ・レーヴァ)の登場には戸惑いも隠せないのも事実で、異教徒となったはずの主人公がカトリックの厳格で静謐な世界にどうして戻って行ったのかの描写もこれではあまりにも突飛で説得力がない。

 今回のイタリア映画祭では監督のマリオ・マルトーネや主演のピエルフランチェスコ・ファヴィーノではなく、悪役を演じたオレステ・スパジアーノ(トンマーゾ・ラーニョ)が来日したが、彼は自身が演じることになったキャラクターを悪の権化にはしたくなかったという。役者として演技する前に私は自分の内側にも、また外側にもいくつかの選択肢を探すと言い、今作のクランク・イン前に黒澤明の『蜘蛛の巣城』の浅茅山田(山田五十鈴)の姿に強いインスピレーションを受けたという。彼自身の悪としての応答は彼の周りにいるナポリのサニタ地区に居る人々によって規定されていると話したトンマーゾ・ラーニョは確かにとんでもない暴力に明け暮れるのではなく、ひたすら草臥れた退廃的な人物としてスクリーンを占拠する。フェリーチェとオレステの40年ぶりの応答は互いがしっかりとアイコンタクトを取ることがない。オレステはフェリーチェの帰還をつぶさに垣間見ながら、一度として彼の生活圏に足を踏み入れることがない。全ては汚れ切った自分へのイクスキューズとここではないどこかを夢見て、別の世界を見た主人公への嫉妬心がこの上なき美しい世界を引き裂いて行く。マリオ・マルトーネ的な『罪と罰』な方法論は分断の時代を照らし見事、今年のアカデミー賞国際長編映画賞イタリア代表作品に輝いた。
たむ

たむの感想・評価

3.5
ゴールデンウィークの開催に戻ってきたイタリア映画祭の一本で、昨年のイタリア映画を代表する一本です。
ナポリを舞台に、現在と過去を巡る物語が展開します。
イタリア映画といえば、犯罪組織との関わりを描き出して、衝撃的な映画も多いですが、本作もその中に入る作品です。
ラストは驚愕、なんというショット。
40年間の不在、二人の男のドラマは、現実か、過去か、もしくは想像なのか。
考えれば考えるほど、深みのある映画ですね。
2023年5月4日@東京会場(有楽町朝日ホール
イタリア映画祭2023で上映
カンヌ国際映画祭2022コンペティション作品。アカデミー賞国際長編映画賞イタリア代表。

イタリア映画祭公式サイト
https://www.asahi.com/italia/2023/

短評は、映画祭で鑑賞後追記します。

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