このレビューはネタバレを含みます
監督自身の死んだ双子の弟の話を家族会議で探っていくドキュメンタリー。
目的も夢もなく逃げ場を探しているように見えたという弟の話から、彼自身の映画の受賞シーン。ベロッキオが映画を作り、賞を受賞し一目に見て輝かしい人生を歩んでいる間に、痛みを抱え続ける弟を充分に支えられなかった自戒のように見えた。
きっと彼の映画に見える悲しみの種もその抱えてきた自戒なのだろうと。
苦しみもあったはずだが、そういったパーソナルな話を映画に昇華してきた彼は、きちんと向き合って、死んだ弟を受け入れようとしたのだなと思った。
それにしても兄弟の誰よりも死んだ弟の彼女が覚えているというのが皮肉だった。当事者はもちろんショックだったろうし、見たかったものしか見えなかっただろう。