幽斎

ダークウェブの幽斎のレビュー・感想・評価

ダークウェブ(2021年製作の映画)
3.2
珍しいアルゼンチン+ニュージーランド合作映画。言語が違う国同士でタッグを組むのは中々のレア感。ほゞアルゼンチンの製作だが、言語はしっかり英語なので見てる方は聞き取り易い。配信作品の枯渇でオセアニアの作品が見れるのは、有り難いのか如何か分らないが、扱うネタがトレンドからズレまくり。

「Dark Web」アメリカ映画協会のサイトで検索すると、曖昧検索で200件、一番有名なのはレビュー済「アンフレンデッド:ダークウェブ」。本作よりまだ酷い2017年「Dark Web」。2021年「Dark Web: Cicada 3301」ヒット作「パージ」パクリ。2016年「Dark Web」完全にアクション映画。イギリス「XXX Dark Web」割と面白い。間違っても「Dark Web: The Mystery Box」見てはイケナイ。

「ダークウエブ」高度なネットワーク知識は必要ないが、アドレスが解らないと辿り着けないTor匿名通信システムで覆い隠されてる。私も「アンフレンデッド:ダークウェブ」見る前に友人に本物のダークウエブを見せて貰ったが、友人の警告通り酷い内容に吐き気が止まらない。ダークウエブが未体験ゾーンなのは、誰でも知ってるので主人公が闇サイトに浸食される等、一昔前の世界観を声高に言われても珍しくも無い。ダークウエブを直に観た方が良いに決まってる。

レビュー済「ヒプノシス/催眠」ロシアの催眠実験とかアングラでも無いのが登場して笑ったが、出されるネタがちっともヤバく無く、全く興味をソソらない。覚束ないネタを閉まってサッサと本題に入れば苦労は無いが、ソレが延々と続くから、何かの苦行の様でシンドイ。終盤の謎展開も意味不明、スリラーに関しては未だ発展途上国。

でもね、最初のスナッフビデオだけは良かったかも。昔はモンド映画と云って「ジャンク/死と惨劇」「スナッフSNUFF」「グレートハンティング」「食人族」劇場で公開されたらしい。ジャンクは色々と謎の多い映画、スナッフに至ってはテレビのワイドショーで特集してたと先輩談。グレートハンティングはヤラセの傑作、食人族に至っては、観る人の感覚を麻痺させ、虚実の別を混乱させる技法は、正にスリラー映画の教科書と言える。

私は真顔で食人族が傑作だと思うし、コレが後に「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」に繋がる。日本で言えば初期の「ほんとにあった!呪いのビデオ」。食人族には1つだけ本物の処刑映像が有り、それが全体のリアリティを惹き立てた。ほん呪も初めの内は考察できない映像が有る。モンド映画に今でも騙されてる方も居るだろう。食人族は1981年の作品、ダークウエブより遥かに先進的なのだ。

クオリティがYouTube的なので、映画じゃなくて動画サイトで流した方が稼げたかも。
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