深獣九

MEN 同じ顔の男たちの深獣九のレビュー・感想・評価

MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)
3.5
悪夢のマトリョーシカ。超・考察系。ぜんぜんわからない笑でもなんだか嫌いになれないよ。

まず風景が素晴らしい。
主人公ハーパーの訪れた人里離れた村にあるカントリーハウス。建物は歴史を感じさせるし、調度品も素敵だ。周囲は森に囲まれている。緑が深く鉄道の跡地も色を添える。石造りのトンネルも味わいがある。夜は満天の星空、天の川も楽しめる。
ぜひ滞在してみたい。

内容は主人公の心情の映像化。トラウマを延々と映し出している。なにか宗教的なモチーフがあるのだろう。A24お得意の考察系、いや超・考察系だ。数え切れないほどの考察素材にあふれている。

りんご
青い花
Wi-Fiに差し込まれる映像
トンネル

水たまり
トンネルのこだま
たんぽぽのたね
全裸の男
自殺した旦那の姿
教会のレリーフ
鹿の死体
カラス
マリリンモンローのお面

拾えなかったものもまだあるだろう。
考察しないからいいけど笑
このあと解説を探してみよう。

悪夢のマトリョーシカは良かった。ビジュアルに手を抜かないのは好感持てる。
ラスト以外にも、村人の振る舞いがずっとお変で、その積み重ねが観てる側にも不安のジャブを与え続ける。いいぞ。

同じ顔かはわからなかったな。

途中で「いやなジブリ」と思ったけど違った。しずるのコントみたいだとも思った。集中しろ笑

おどかす系じゃないお化け屋敷を体験した気分になったよ。

(監督インタビュー)
https://ginzamag.com/categories/interview/312701
深獣九

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