アトミ

NOPE/ノープのアトミのネタバレレビュー・内容・結末

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

50点

「私はあなたに汚物をかけ、あなたを辱め、あなたを見世物とする」ナホム書3章6節

撮影スタジオ
声を殺して泣きじゃくる子の声?
洋服が血まみれのチンパンジー。
倒れている女性の足を突っつく。が、反応無し。
セットはめちゃめちゃ。惨劇の後(スタッフ、カメラマンは逃亡?)。
キレ気味にバースデー帽(紙の三角帽)を脱ぎ捨て(投げ捨て)たチンパンジー。カメラ目線。
暗転。


朝の牧場(ヘイウッド・ハリウッド牧場。タレント馬レンタル業)。
空から異音。
と、突然無数の「何か(小石ほど)」が落下。
その直後にバン(白馬)から落馬した父(牧場主オーティス。黒人)。
息子OJ(オーティス・ジュニア)は血だらけの父を急いで病院へと運ぶが死亡(右目にコインが直撃し頭蓋骨内へ)。

病院から牧場に戻ったジュニア。
バンの尻にも「金属(後に飛行機からの落下物と断定される)」が刺さっていたのを見つける。


『ノープ』


撮影スタジオ。
父の仕事を継いだジュニア(馬の調教師)。
マネージメント(俳優、歌手、ダンサー、服飾、バイクが本業)のエメラルド(妹。エム)は馬(ラッキー)の取り扱い注意事項をスタッフに説明。
とりあえずジュニアはラッキーの休憩を求めたがスルーされ、リハが始まる。
スタッフに「馬の後ろには立つな!」と注意していたが、ソレも無視。
案の定、ラッキーが暴れてしまい仕事はパーになってしまう。
まだまだ馬のコントロールが未熟なジュニアは苛立つ。


ジュニアはラッキーを売却するためお隣さんのジュピター・パーク(西部劇テーマパーク)に立ち寄る(仕事が無くこれで10頭目。が、最終的にはちゃんと買い戻すつもりで契約)。
と、エメラルドは部屋の写真からオーナーのジュープ(アジア人。ウォーキングデッドに出てた人かな。ジュニアが馬を買い戻す事を承諾してはいるが、ちょい歯切れの悪い返事)が元子役の「子供保安官リトル・ジュープ」だと気づく。
大ファンだったエメラルドは感激。部屋の中の写真等を拝見。
と、「ゴーディ家に帰る」事件(オープニングの惨劇)を特集した雑誌が額に入れられ、飾ってあるのを発見。
と、オーナーは隠し扉の奥へと2人を案内。
そこにはたくさんのグッズが陳列してあった。
シーズン2「ゴーディの誕生日」にてゴーディ役チンパンジーがブチ切れて暴れる。
局はこの事件を隠蔽しようとしたが、人づてに伝わったのだった。


『ゴースト』
夜。
白馬のゴーストが牧場から逃走。
車で追いかけ、ジュニアは隣の私有地(ジュープ・パーク)の中へ。
何やらイベントをやってるような声が聞こえる。
怯え、嘶くゴーストの声。と、一瞬空からパークに向け?て光が差し、空に何かを見たジュニア。
その頃、自宅では一瞬停電が起こっていた。

自宅に戻ったジュニアはエメラルドに「デカいUFOを見た」と話をする(ゴーストは行方不明のまま?)。

翌日。
エメラルドは「UFO動画」を撮影し、番組に売り込んで一儲けすること思いつき、農場に監視カメラを設置(AとBの2台)。牧場に白馬の等身大人形(木馬)も設置(エメラルドがジュープ・パークからパクってきた。連続三角旗がついたまま)した。
兄妹が「UFO撮影」をしようとしてるのでは?と興味を持った電気量販店店員のエンジェル(白人男。監視カメラを設置)だったが追い返される。


『クローバー』
夜。
厩舎の電気が勝手につく現象と異音。
ビビりながらも携帯で動画を撮るジュニア。
が、宇宙人の面を被った子供たち(ジュープ・パークの子達。コルトン、フェニックス、マックスの3人)によるイタズラだった。
外へ逃げてしまっている馬のクローバーを捕まえに行くジュニア。

その頃。
電気量販店で停電。
「もしかして」とエンジェルはヘイウッド・ハリウッド牧場の監視カメラにネット接続。
と、カメラBが停止していると知り、エメラルドにTEL。

その頃。
クローバーを捕まえたジュニア。
自宅が停電になったのに気づく。と、怯えたクローバーが走って逃げてしまう。
と、雲の中から光が差し、木馬(垂れ下がっている連続三角旗)が雲の中へと吸い込まれて行くのを目撃したジュニアとエメラルド(エメラルドは自宅から)。
ただ事じゃないと察したエンジェルだったがAのカメラにカマキリが止まっておりピントが合わない。
そうこうしてるうちに竜巻が起こり、クローバーも連れ去られてしまう。

翌日。
エメラルドはカメラマンのアントラーズ・ホルストにTELし、ココに現れるUFOを撮って欲しいと依頼したが断られた。
監視カメラで監視していたエンジェルは上空に「全く動かない雲」がある事に気づき兄妹に伝えに来たが、コレを「UFOの証拠」とするにはインパクトがないとジュニアも考えた。

『ゴーディ』
1998年。
誕生日プレゼントにブチギレて暴れたゴーディ。母親役の女優、スタッフを襲う(女優の脱げた左足のシューズがカカトを下にして直立している。ジュープの虚構?)。
テーブルの下に身を隠していた子役ジュープに気づいたゴーディは近づき、血だらけの手でグータッチを求めた(自分だけはゴーディに選ばれた特別な存在?)。
と、駆けつけた警官により射殺される。
時折、その記憶(トラウマ)がよみがえるジュープ。


『ラッキー』
嵐予報のため監視カメラにカバーをするエンジェル。
と、チラシを見てジュピター・パークで行われる「星との遭遇体験」のイベントに招待されていた事を思い出す。

ジュープ・パーク。
馬(ラッキー)を捧げ、UFOを呼び出すというイベントが行われていた。宇宙人の面をつけたコルトン、フェニックス、マックスの3人が登場。
と、「動かない雲」がパークに近づく。
ジュープ、スタッフ、観客らは現れた「何か」に驚き、悲鳴をあげる。そして竜巻に飲み込まれ、連れ去られる。


閉園時間。
ラッキーを返して貰おうとパークを訪れたジュニア。イベント会場がめちゃくちゃになっているのを目にする。
と、ラッキーの鳴き声。まだイベント会場の柵の中にいた(連れ去られてなかったのね。正にラッキー)。
と、上空から降りて来たUFOはラッキーを襲う。竜巻に吹き飛ばされるジュニア。

夜。
気がついたジュニア。
エメラルドにTELし、「見たもの」を報告。
あれは「船」ではなく「巨大生物」だと。

と、自宅が停電。
と、自宅周辺だけ嵐が突然止む(巨大生物が傘になってる感じ)。
「生物」は自宅上空からガラクタを吐き出す。そして大量の「血」も。

自宅へ戻ってくる途中に車がエンストしたジュニア。巨大生物が車上空に現れ、車の周辺だけ嵐が止む。
ジュニアはドアを少し開け上空を確認。
と、巨大生物は口を開け(巨大な穴)て待機していた。
と、落下してきた血まみれの木馬がフロントガラスを突き破り、ビビるジュニア。

夜が開け始める(ジュニア寝てた?)。
エンジンが復活したためジュニアは自宅へ戻る。エンジェルの車で逃げようとした3人に気づいた巨大生物が接近!
ジュニアは撮影スタジオでリハーサルが始まる時、スタッフが持っていたライトの金属部分に反射した「馬の姿」にビビったラッキー(自分の姿)が暴れた事を思い出した。
3人は何とか車で脱出。エンジェル宅へ避難。

夜。
ジュープ・パークでの40名神隠し事件をメディアが取り上げる。

翌日。
ジュニアはけん引していた馬運車に残されたままのラッキー(襲われてなかったのね。正にラッキー)を世話する必要があると自宅に戻る。
エメラルドとエンジェルも。
ニュースを見て「事件」に興味を持ったアントラーズが3人に会いに来た。

「巨大生物は木馬と連続三角旗が気管に詰まるからダメージを受けるから、旗を見ると逃げ出すはず(ブチ切れたから3人を襲った)。で、ココに居座っているのはジュープが飼い慣らそうとしたから」との見解を示したジュニア。巨大生物を「Gジャン」と名付ける(「Gジャン」はエメラルドの初めて調教練習にあてがわれるはずだった馬。が、仕事が優先になり父とジュニアが調教。エメラルドはソレでトラウマに)。

アントラーズは「馬を囮に使って撮影」を提案したがジュニアは「馬は家族」だからと却下。
とりあえずGジャンと交渉(攻撃を止めさせる)しなくてはならない。
アントラーズは自作の手動カメラでGジャンの姿を撮り、対峙は3人。4人は準備に取り掛かる。


『Gジャン』
噂を聞きつけたTMZの記者が電気バイクで現れた。エメラルドは帰るよう促したが記者はパークへとぶっ飛ばす。そしてGジャンのテリトリーへ。電気バイクは突然エンスト。慣性の法則で投げ出された記者は事故る。
ラッキーに乗ったジュニアは記者を助けるため現場へ。
と、現れたGジャンは記者を吸い込む。間一髪ジュニアはラッキーに乗り現場を脱出。
が、Gジャンはジュニアを狙う。大ピンチ!
が、ジュニアは連続三角旗を飛ばす(小パラシュート付き)!ビビったGジャンはトンズラ。
しっかりGジャンの姿を撮影したアントラーズ。エンジェルはテンションMAX!
が、アントラーズはまだ納得行かないのか小型手動カメラを持ち、1人山へ向かう。
ブチ切れGジャンはアントラーズを飲み込み、エメラルドのいる厩舎を襲う。
運良く脱出できたエメラルド。
Gジャンは次にエンジェルを飲み込む!が、風で飛んで来たブルーシートがエンジェルの体に巻きついてたため吐き出す。

もうブチギレMAXなGジャンは蝶の様な、胡蝶蘭の様な姿に変化(第2形態)。
エメラルドをロックオンするが、ラッキーに乗ったジュニアが囮になりGジャンを引きつける。

Gジャンが離れた事で電気バイクのエンジンがかかり、今度はエメラルドがGジャンを引きつけ、ジュピター・パークへとおびき出す。
AKIRAみたいな停車。
エメラルドは連続三角旗があしらわれたワイヤーを外し、パークのシンボル人形バルーンを空に解き放つ。そして井戸の中に設置してあるポラロイドカメラを使い上空を撮影。

人形バルーンに気づいたGジャンは人形に緑四角なヒラヒラ口で威嚇!そして捕食!(どんどんエヴァンゲリオンの使徒化して行くなぁ)
エメラルドは決定的瞬間を激写!

器官を詰まらせたGジャン。体内で破裂したバルーン。Gジャンは空中で爆発した。

電気が復活して行く中。メディアが巨大生物の上空爆発を報じる声が聴こえて来た。
半泣きのエメラルドはパークのゲート(OUT YONDER「向こう側」と書かれているのであの世?)にラッキーに乗ったジュニアが現れたのを目にした。

『ノープ』






というお話。
冒頭のナホム書3章6節の通り、この作品は「見世物にされる側」と「する側」の関係性が描かれている。
「見世物にされる側」のゴーディはブチギレて「する側」を襲う。
それを目の当たりにしたはずのジュープなのに「見世物にされる側」のGジャンにブチギレられ襲われる。
「する側」のジュニア達もブチギレられて襲われる。
ただ違うのはジュニアは「動物も家族」として扱う所。だから「助かった」のか「助からなかった」のか。
仮にあの世の姿だったとするとまぁシンプルに「そういう奴らには必ずバチが当たる」という教訓な作品かな。
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