ひろゆき

ザ・ホエールのひろゆきのネタバレレビュー・内容・結末

ザ・ホエール(2022年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

銀幕短評(#690)

「白鯨」(原題)
2022年、アメリカ。1時間57分。

総合評価 50点。

A24臭がぷんぷんしますね。ニガテですよ。

相手が ポケットからカードを数枚取り出して シャッフルして見せるので、さていったい何をいいたい映画なのかと、つい思います。主人公のかれは 年かさは行っていても、図体はでかくても、あたまのなかは幼児ですね。甘やかされきっている。与えることを知らず、与えられることに汲々とする。つまりじぶんの欲望しか考えられない。すぐ回りにたよる。その迷惑をいっかな想像しない。そうして彼らの愛情を求める。いっけんひとを思いやる素振りを見せながら、相手の善意につけ込んでじぶんの欲求をどこまでも追いかける。死ぬと腹をくくったのであれば、勝手にひとりで死ねばいいのに。その周りのおとなたちは、幼児のかれを なぜだか とことん甘やかし、暴君に育てあげる。どこまでも。ぞっとする映画です。いったい ああいう終わり方がありえるのですか? 感動作? ワンペアすらないのに。ちょっと歪曲しすぎの気がするなあ。

あと、あとで思い出せるようにと、番外「ちひろさん」の回にすべりこませた
「痛くない死に方」66点をサルベージします。これは医療のカード。

終末医療のはなし。
もし高齢で もうこれ以上長生きしなくてもいいや と生に見切りをつけたとき、たとえば心不全で無性に苦しくて ああ自分はこれでやっと絶命するのかと地に倒れた場合、救急車を呼んでは ぜったいにいけない。
もしそうすれば、かけつけた救命隊員はあなたを確実に医療機関(つまり病院)に搬送し、そこにいる医療従事者は、あなたの生命を救うためにあらゆる手をつくす、総力を挙げて救命処置をほどこす。なぜなら いったん受け入れた患者を何とか延命させることが彼らの使命であるから。本人は ほんとうは簡単に死にたかったのに、軽はずみに医療機関にすがったために、敷居を不用意にまたいだために、不本意な生(当の本人が望まない、いつ終わるかわからない余命の延長)を負わされてしまう。
老いによる死、については、「パーソナルソング」の回で 真剣に考えました。今回の映画によるとリビング・ウィル(生前の意思表示)が解決のための有効な手段のようです。在宅での看取り医療。いたずらに力づくで生を引き延ばすのではなく、安らかな死へと自然に生をみちびく。それはとてもたいせつな 魂の、尊厳の、救済のみちですね。


宗教のカードについては、「2人のローマ教皇」で考えました。
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